かつての輝きを取り戻した森田遥(24=新英ホールディングス)が約3年7カ月ぶりの優勝を視界にとらえた。

序盤からショットがさえ、14番ではピンまで119ヤードから9番アイアンで5メートルにつけると、このロングパットを沈めてバーディー。16、17番でも伸ばし、先にホールアウトした西郷に並んだ。昨年はいなかった観客の後押しも受け「見られていることが力になるタイプ」とうれしそうに話した。

13年に日本女子アマチュア選手権を制し、プロ転向後の17年に北海道meijiカップで初優勝。しかし、その後は勝利から遠ざかり19年は賞金ランキング52位でシード権も逃した。同年の自身最終戦となった大王製紙エリエール・レディースでは単独3位以上でシード権確保の賞金ランキング50位以内が決まる状況で、3日目まで首位。しかし、最終日の17番パー5。突然の猛烈な逆風に見舞われて18番まで連続ボギーを喫し、優勝した渋野らに土壇場でかわされ4位に。賞金ランキング51位から55位までが手にする翌年の前半戦出場権確保にとどまった。

森田は当時を「そうなる状況にまでもっていった自分が悪かった」と振り返った。20年も調子は上がらず13戦で予選突破は3度のみ。「ホテルや交通面の手配でも予選を通らない想定にしていた」。このオフは基礎練習を繰り返して自身を見つめ直した。

首位も6アンダー以上のスコアも、あの時の「大王製紙-」以来。復調のきざしは見えた。出場資格は今季10戦目のワールド・サロンパス・カップまで。「昨日、今日で自信がついた。明日も自分のペースで」。残り36ホールも集中して戦いきる。