首位で出た笹生優花(19=ICTSI)が、連日のビッグスコアで2位に2打差、3位に5打差をつける堂々の首位で、米ツアー初優勝に前進した。9バーディー、1ボギーで2日連続の64。8つ伸ばして通算16アンダー、128とした。ホールインワン寸前の一打や、約20メートルのロングパットを決めるなど、ショットもパットも絶好調。前週の松山英樹のマスターズ優勝に続く、日本人の米ツアー2週連続優勝に突き進む。

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決めた本人が驚いて立ち尽くした。3番パー4の第3打。笹生が放った約20メートルのパットは、大きな弧を描いて9秒後にカップに吸い込まれた。1番に続く、2つ目のバーディーでパットに自信がついた。16番パー3の第2打でもラインを読み切り、10メートルを超えるパットを沈めた。「難しいラインだったけど、入ってくれてよかった」。生まれ育ったフィリピンに似た、30度近いハワイの温暖な気候が、感性を研ぎ澄ました。

8番パー3では、あと30センチ転がればホールインワンというスーパーショットも披露した。「いいショットだった」と、この日最高の一打と自任。7番からは4連続バーディーだった。2日間でボギーが1個に対して、バーディーは17個も量産した。「ティーショットが安定していてよかった」と、無理なく打ってもこの日のドライバー平均飛距離は279ヤード。持ち前のパワーにフェアウエーキープ率71・4%、パーオン率88・8%の正確性も加わった。

「ゴルフを始めた時から世界一になることが夢」という。笹生の中での「世界一」は世界ランク1位と明確だ。2打差で一騎打ちの様相を呈している23歳の2位コは、17歳の時に史上最年少で世界1位となり、すでに米ツアー15勝。現在の世界ランクも46位の笹生に対し、コは11位と格上だ。機会があれば米ツアーに挑戦するのも、そんな世界トップの技術を間近で見て、技術などを吸収するのが狙い。「若いころから活躍して、すごい選手。憧れの1人。たくさん学べると思うので楽しんでやりたい」。最終組で一緒に回る第3ラウンドは、米初優勝の重圧などまるで感じていない。