女子の部で田中こころ(17=岐阜聖徳学園高)が67をマークし、大会2連覇を達成した。来年にプロテスト受験を予定する実力者が前半を全部パーでまとめ、後半で31とスコアを伸ばした。男子は横田圭右(41=スプリングフィールド)が75で優勝。男子は上位10人、女子は上位16人が全日本大会(男子=10月28~29日、石川・片山津GC白山C、女子=10月4~5日、千葉・キングフィールズGC)の出場権を獲得した。

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田中はショットがさえた。前半アウトは全部パーだったが、グリーンを外したのは3番パー4だけ。「ほぼチャンスだったけど、パットが入らなくて」。後半インで爆発した。10番パー4で10メートル以上のバーディートライを放り込んで、初バーディー。流れを引き寄せると、13、14、16、17番は2~4メートルのチャンスをしっかり決め、5バーディーを量産した。

自己ベスト66にあと1つと迫る67。「競技でノーボギーは初めてで、ハーフ31も初めてです」。伸び盛りの17歳が、また1つ自信を深めた。

中学まで全国大会に出たことがない。高1の夏に全国高校選手権に出て、2日連続アンダーパーを出し、プロを意識するようになった。現在高3で今年のプロテスト受験も可能だったが、見送った。来春、岐阜聖徳学園大に進み、ゴルフ部に入り、来年のテストで“女子大生プロ”を目指す。

「チャンスがあれば、プロの試合に出てみたい」。国内最高峰競技の日本女子オープン出場をかけ、8月末の最終予選に挑む。憧れは小祝さくら。「すごく安定したプレー。バーディーをとって、ダボを打たない。自分が理想とするプレースタイルと重なるんです」。攻撃的でいて、ステディーに。自分のゴルフにどんどん磨きをかけていくつもりだ。【加藤裕一】

◆田中こころ 2004年(平16)2月24日、岐阜市生まれ。ゴルフは小2から。高1で西日本エリアの大会優勝、日本ジュニア出場、今年の日本アマ出場。ベストスコア66。ドライバー飛距離は約240ヤード。趣味は料理、お菓子作り。158センチ、52キロ。

 

○…女子の部で15歳の小宮千が69を出し、2位に入った。すごかったのは34で回った前半アウトで、パット数が驚異の「8」だ。「ドライバーはいいのに、アイアンの距離が合わなくて…」と苦笑いし、パーオンしたのがバーディーを奪った2ホールだけだったと説明した。「ハーフ8パットなんて初めてです」。妹千愛もアンダーパーの71で3位。姉妹で好プレーを見せた。

○…横田が75で男子の部を制した。70台が5人と全体のスコアが伸び悩む中、スタートから2連続バーディーで流れをつかんだ。7番パー3で第1打をシャンク気味にミスして“素ダボ”をたたくなど「ショットはイマイチだったんですが、アプローチが割と寄ってくれた」という。「自分としてはナイスプレー。グリーンの仕上がりが良くて、ラインに乗せたら(入ってくれる)という感じでした」と話した。

○…藤が全体で2位の77をマークし、シニアの部1位となった。ただ、所属が開催コースで地の利もあったといえるだけに「前半に3パットが3回。後半は連続バーディースタートだったんですが…」と残念そう。この日のグリーンスピードは8・5フィート。数字上は遅めだったが「感覚的には10(フィート)は出てるんじゃないですか。転がりが良くて、ピン上につけたら厳しかった」と話した。

〈主催〉日刊スポーツ〈後援〉中部ゴルフ連盟〈協賛〉住友ゴム工業〈協力〉日本ラインゴルフ倶楽部