プロ4年目の植竹勇太(26=セガサミーホールディングス)が初優勝へ好発進した。6バーディー、ノーボギーの65で回り、6アンダーで首位に1打差の2位につけた。好調なパッティングを武器に、序盤の11番で10メートルを沈めると、後半も5番で5メートル、7番で4メートルのパットを決めるなど6つのバーディーを奪った。

「パッティングの距離感が良かった。セカンドショットとかもあまりグリーンを外さなかったので、ピンチもなくラウンドできた」と振り返った。

パッティングは7月の日本プロゴルフ選手権の際に、谷口徹から教えを受けたことをきっかけに、握りをクロスハンドに変えたことが転機となった。「谷口さんに打ち方だったり、いろいろ教えてもらって、グリップも谷口さんと同じものにして。クロスハンドは自分で考えてやったんですけど、フジサンケイ・クラシックから変えて、そこからパターが良くなりました」と明かした。

3月31日に、小、中学校で同級生だった裕加さん(26)と結婚。初優勝への思いも強くなった。「精神面で支えてもらっています。調子が悪いのを知っているので『とりあえず予選通過して』って言われました」と笑顔で話した。北海道出身で小学校時代は、サッカー少年団札内北FCで平昌(ピョンチャン)五輪スピードスケート金メダリストの高木美帆の1学年後輩だった。「FWとサイドハーフでポジションがかぶっていて、めちゃくちゃ足が速かったです」。小学校卒業後は会うことはなかったが「両親が美帆ちゃんの活躍をボクに言ってくるんです。ガンバレって」と苦笑。それでも、ゴルフで同じように有名になることを目指している。

ゴルフの名門、東北福祉大のOBで、前週のZOZOチャンピオンシップには、繰り上げ出場の待機組として会場に行き、練習場で優勝した松山英樹の練習を見学。試合もYouTubeで見て刺激を受けた。今季はファイナルQT7位の成績で前半戦のシードを獲得。5月のプレーヤーズチャンピオンシップで2位に入るなどトップ10入り3回。優勝争いも経験し、初優勝に近づいてきた。「(12月の)日本シリーズJT杯も出たいし、残り5試合で出られるのは2試合だけ。何としても結果出していきたい」と残り3日間に悲願の初勝利をかける。

◆植竹勇太(うえたけ・ゆうた)1995年(平7)10月16日生まれ、北海道出身。ゴルフは4歳で始め、小学時代はサッカーも。東北福祉大では17年に国体の個人、団体で優勝。同年プロ転向。得意クラブはドライバー。今年5月のプレーヤーズチャンピオンシップで自己最高の2位。163センチ、63キロ。