次は私が大関に!女子ゴルフの新世紀世代(01年度生まれ)で昨年ツアー初優勝を挙げた山下美夢有(20=加賀電子)が、プロ2シーズン目に挑む思いを明かした。

体調管理、トレーニングで助言を受ける「中村鍼灸接骨院」(東大阪市)の中村吉朝トレーナー(37)が、大相撲で大関昇進が決まった関脇御嶽海の体調面を支えてきた。山下は昨年の全米女子オープン優勝・笹生優花、昨季賞金ランク4位西郷真央という同世代に負けず、さらなる“出世”を狙う。

山下が笑顔で告白した。「お世話になっている先生、すごく強いお相撲さんを担当してるんですよ」。お相撲さんは、初場所千秋楽で横綱照ノ富士を破り、3度目の賜杯と大関昇進を手にした御嶽海。このオフ、中村トレーナーを介し、ちゃんこを一緒に食べる話が持ち上がったが、自分の仕事の都合で流れた。だからまだ面識はないが、御嶽海の快挙は刺激に違いない。

約1年前、21年の“開幕”を前に、父勝臣さんが「体を見てくれる人はいないか」と探し出したのが、同トレーナーだった。山下はツアー初優勝を飾った昨年は大阪の自宅に戻ると、月曜日には同院でケアを受けた。転戦中はホテル、コースで教わった自重を使った方法を実践し、筋力維持に努めてきた。

御嶽海を約2年前から見ている中村トレーナーは、山下を「とても真面目で、20歳という若さにしては、自分の体に対する意識が高い。筋肉は、それこそ御嶽海関のように柔軟で質がいい。山下さんと“そこは大事にしていこう”と話をしています」とほめた。

山下には今季、目標がふたつある。1つは「まず1勝」。すでに1勝した立場からは控えめだが「もちろん複数勝ちたい。でも、昨年(4月に)勝ってから、苦労したので」と説明する。そして、もう1つが「痩せないこと」になる。

プロで初めて1年間戦った。西村優菜とともに、ツアーで最も低い身長150センチの体をカバーすべく、しっかり目の体重56キロで“開幕”したが、夏場過ぎに53キロまでダウンした。「想定してましたけど、痩せました。どうしても食が落ちてしまった」。体幹がブレて、ショットのキレが落ちた。「今は57キロもあるんですけど、それを、シーズンを通して維持したい。最低でも56キロはキープしたいです」。3月からの9カ月、皆勤なら38戦のツアーを戦い抜く体力があれば…。国内メジャー制覇、複数回Vなど、御嶽海のような大出世も夢ではないと思っている。【加藤裕一】