全米女子オープン帰りの西村優菜(21=スターツ)が7アンダー、65をマークし、今季初の首位発進した。全米は20年12月開催に続いて予選落ちしたが、国内部門別ランクの平均バーディー数1位の力で、8バーディーを量産。身長150センチとツアーで最も小柄な“バーディーマシン”が米国の経験を生かして好スタートを切った。林菜乃子も首位に並んでおり、稲見萌寧は4位、小祝さくらは10位につけた。

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西村のショットがキレた。前半15番パー4で残り120ヤードをピッチングウエッジで1メートル。4番パー5で85ヤードの第3打を54度のウエッジで1メートル。7番パー4はスピンが期待できない左ラフから、135ヤードの第2打を8番アイアンでピン奥5メートルにつけ、バーディーパットを沈めた。ショートアイアン、ウエッジのスピンコントロールとキャリー、ランの予測。「今日はほぼ計算通りでした」。予選落ちに終わった前週の全米女子オープンのコースは長く、グリーンも硬かった。今大会の距離は国内仕様で平均的、グリーンは週初めの雨でソフトだった。

「イージーに感じた」。

全米帰りの実感だ。

優勝者ミンジー・リーらのプレースタイルも印象的だった。「淡々としていて。心の中で、ゴルフ本来の楽しさをつぶさずにプレーしているようでした」。スタイルを模倣し、うまくはまった部分もある。

米国では予選落ち後の週末も開催コースで練習。6日の月曜日に出発、7日に帰国し、同日夜に神戸入り。シャワーだけだった入浴も「昨日の夜、やっとお風呂に入りました」と約15分、湯船につかった。時差ぼけもなくぐっすり眠れた。

強行軍、ドタバタもあってプロ転向後初めて帯同キャディーでなく、ハウスキャディーでプレーし、距離測定、歩測など自分で全部こなした。「いつもはキャディーさんに任せる部分もあるんですが…。足が疲れました」。今季初、ツアー通算5勝目へ、充実した笑顔がはじけた。【加藤裕一】

◆西村の首位発進 昨年9月ミヤギテレビ杯以来3度目。同大会では完全優勝で通算4勝目を飾った。初の首位発進だった20年11月大王製紙エリエールは最終的に15位に終わった。