プロ2年目の岩井千怜(ちさと、20=Honda)が、ツアー初優勝を飾った。ニューヒロインが誕生した。

吉本ひかると並んで首位タイから出て5バーディー、2ボギーの69と3つ伸ばして回り、通算13アンダー、203。スタート時点では3打差に10人、4打差に20人という混戦を抜け出し、2位の勝みなみ、堀琴音、吉本ひかる、吉田優利、植竹希望、岡山絵里を1打差でかわした。

最終18番で1メートルほどの短いパーパットを外したが、すぐさまウイニングパットを沈めた。涙が自然とあふれた。

「最後は2パットで上がりたかったが、緊張で外した。気持ちよく終わりたかったですが、すごくうれしかったです。今日1日ワクワクするようなプレーが見せられました」と喜びをかみしめた。

昨年6月に、双子の姉・明愛(あきえ)とともにプロテストに合格。双子がそろってプロという、史上4組目の姉妹となった。過去3組の双子姉妹プロで、どちらか1人でも優勝した例はない。注目の双子姉妹プロによる、初の優勝となった。さらには笹生優花、西郷真央、山下美夢有らの「新世紀世代」の1学年下、02年度生まれとしても初優勝となった。

前半は3番パー3で、ティーショットを1メートル余りにつけ、バーディーを先行させた。直後の4番パー4では、10メートル余りの長いパットを決めて連続バーディー。この時点で初めて単独首位に立った。だが7番パー4で1メートルの短いパーパットを外してボギー。この時点で、同じ最終組で回っていた吉本、堀琴音に追い付かれた。さらに8番で伸ばした吉本を、1打差追って折り返した。

だが後半に入ると、すぐに連続バーディーを奪った。10番パー4で3つ目のバーディーを奪って吉本に並び、11番パー4では3メートルのバーディーパットを決めた。単独首位となる連続バーディーに、右手でガッツポーズをつくった。さらに13番パー5では、第3打を2メートルにつけてバーディーを重ね、後続に2打差をつけた。その後はパーをセーブ。ウイニングパットを決めると喜びを爆発させた。

岩井姉妹は昨年9月、下部のステップアップツアーで、先に千怜が優勝し、中1週で行われた次戦で明愛が優勝。レギュラーツアーを含め、国内ツアー史上初めて姉妹による2戦連続優勝を達成していた。レギュラーツアーでの姉妹優勝は福嶋晃子&浩子、堀奈津佳&琴音の2組しか達成していない。

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