8月の全米女子アマチュア選手権で、日本人37年ぶり2人目の優勝を果たした馬場咲希(17=代々木高2年)が、史上最年少での国内メジャー制覇へ、第1関門を突破した。22位から出て2バーディー、3ボギーの73と1つ落とし、通算2オーバー、146。15位に浮上して予選を通過した。首位とは2打縮めて4打差。16年大会を17歳263日で制した畑岡奈紗を上回る、17歳160日での国内メジャー最年少優勝も夢物語ではなくなってきた。

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並み居るプロも顔負けだった。馬場は正確なティーショットと絶妙なアプローチで、スタートから8ホール連続でパーセーブ。その間、昨年大会優勝の勝、今季5勝の西郷という同組のトッププロは、ズルズルとスコアを落とした。折り返しの18番パー5は、第3打を2メートル足らずにつけてバーディー先行。力強く右手を握り締め、大歓声を浴びる。2週前、日米4戦目のプロの試合で初めて予選落ちした。その屈辱を晴らす予選通過。「4日間戦うという目標はクリア」と、15位突破に胸を張った。

この日、アンダーパーで回ったのはわずか5人。難セッティングの中で1オーバーの73と粘ったが、満足感はない。前半の12番パー5では2メートルのバーディーチャンスを逃し、終盤の8番パー3では1メートル弱のパーパットを外してボギー。「5番からガタガタと崩れた。昨日(第1ラウンド)と同じように後半に崩してすごく悔しい」とどこまでも貪欲だった。

首位とはスタート時の6打差から4打差に縮めた。4番パー5で第3打を2・5メートルにつけ、バーディーを2つ先行させた時点で4位まで浮上するなど、首位の背中は視界に十分ある。前日は4人が並んでいたアマチュア最上位も、単独最上位となった。前日は序盤で「足が震えた」という緊張も、この日はなくなった。

予選通過を決め「上位に行けば、すごく強いプロの方たちとラウンドできる。上位を狙いたい。予選通過した順位よりも上げたい」と目標は上方修正された。本人は口にしていないが、畑岡を上回る史上最年少での国内メジャー制覇へ。日に日に増えるギャラリー同様に、快挙への期待感も高まってきた。【高田文太】