女子ゴルフで史上初めてジュニアメジャー4冠を達成した「天才ゴルフ少女」と呼ばれる須藤弥勒(みろく、12=ゴルフ5)が22日、東京・両国国技館で元横綱白鵬の宮城野親方(38)と初めて対面し、今後の活躍に太鼓判を押された。

弥勒が親方に直接会うのは初めて。弥勒の父憲一さんによると、弥勒のSNSプライベートアカウントに親方からフォロー申請が来たことから交流が始まったという。相撲界の大物と対面するとあって、清楚(せいそ)な白いワンピース姿と“正装”で臨んだ。

190センチ以上の大柄な親方は150センチと小柄な弥勒の目線に終始合わせて会話した。15歳の時にモンゴルから来日し、言葉も文化も違う中での生活で戸惑ったこと。苦労したこと。弥勒にも分かりやすい言葉で、普段の練習の積み重ねが大事だと説いた。

「成功してからも、年齢とともにプレッシャーで眠れなくなることも待ち受けている。それでも弥勒ちゃんは絶対にいける。絶対に活躍できるから。見守っていくから」。親方は弥勒の活躍に太鼓判を押すとともに、バックアップも約束した。親方は大相撲史上最多の45回の優勝を誇る。「ぜひ46回の優勝を目指して頑張ってほしい」。自らの優勝回数を上回る活躍を願って激励した。

弥勒は小学生のアマチュアゴルファーだが、10社以上とスポンサー契約している。注目度は高いが、当然“アンチ”もいる。ネット上で批判されることもあるが、親方はそれを見抜いて助言した。プレッシャーで眠れなくなった日々を明かした後、執着しないことを諭すモンゴルの言い伝えを伝授。「批判は今でも来るし、それはずっとついてくるものだよ」と自身の経験と合わせてやさしく言った。大横綱ならではのメンタル面のアドバイスに弥勒は深く聞き入り、同席した母みゆきさんは思わず涙をこぼした。

今年1月、親方が生まれ育った極寒のモンゴルで合宿を行った経験と偶然の縁もある。親方のアドバイスはより深く染みた。対面後、「もっと努力をしなくては」と繰り返した。「あの厳しい環境で育ち、血がにじむような努力をされたからこそ、あれだけの結果(=大相撲史上最多の優勝45回)を残された」。親方のまめだらけの手にも感じるところがあった。「これも血がにじむ努力の跡なんですね。私も血を吐くくらい練習して、ゴルフ界史上最強の横綱を目指します!」と活躍を誓った。