■世界ランク5位南アフリカ

2015年ワールドカップの日本代表の南アフリカ戦勝利は、ラグビーの枠を飛び越え、スポーツ史上最大の番狂わせとも言われた。それは南アフリカがニュージーランド(NZ)と並ぶラグビー大国であり、この2カ国が世界のラグビー界をけん引してきたからだ。

 
 

日本代表に敗れた南アフリカは、その後意地を見せ、3位になって汚名を返上した。しかし、16年からは指導スタッフが安定せずに低迷。NZ、オーストラリア、アルゼンチンと戦う南半球4カ国対抗「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」でも、NZの後塵(こうじん)を拝していた。

 
 

流れが変わったのは国内で評価の高かったラシー・エラスマス(46)がヘッドコーチに就任した18年3月から。元南アフリカ代表の名フランカーのきめ細やかな指導で、チームに規律が生まれ、運動量も上がった。キックで地域を進め、激しいタックルでボールを奪い返すプレースタイルは変わらないが、18年にはNZを破り、今年の7月27日には、NZと16-16で引き分け。身長204センチ、体重117キロのエベン・エツベスほか、大きくて運動能力の高い選手たちの突進は迫力満点。SOハンドレ・ポラードの正確なプレースキックも魅力だ。1次リーグで同組になるNZとの対決は見逃せない。