アイルランドに強みを出させない、日本の戦いぶりだった。しっかりボールをキープして攻める。ポゼッション(ボール支配率)を高めて、相手にボールを渡さない。そういうゲームプランを、選手たちが完璧に遂行した。それが、大きな勝利につながった。

前回大会で南アフリカに勝ったが、多くの人は「勝つチャンスはない」と思っていた。今回は「もしかしたら、いけるかも」と思われた中での試合。周囲の日本代表を見る目も変わっていた。ハードルが高くなって、地元大会でプレッシャーも大きかったはず。その中で勝ち切れたのは、これまでのハードトレーニングの成果が出たからだ。

アイルランドには勝ったが、スコットランドに敗れれば前回大会と同じく3勝1敗で並ぶ可能性はある。アイルランドのボーナス勝ち点1が響いてくるかもしれない。もちろん残り2試合に勝てば問題ないが、そう簡単なものでもない。

特にリーグ3戦目は精神的にも肉体的にも難しいもの。サモア戦がカギにもなる。試合後、リーチ主将と話をした。慢心はなく、しっかりと気を引き締めていたので安心した。これで、大会がさらに盛り上がることは間違いない。(前サントリー監督)

前半、素早いステップで相手をかわす日本WTB松島(中央)(撮影・垰建太)
前半、素早いステップで相手をかわす日本WTB松島(中央)(撮影・垰建太)