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2001年箱根駅伝(復路)


順大、史上初の大学駅伝4冠

<第77回箱根駅伝>◇3日◇箱根・芦ノ湖〜東京・大手町◇5区間109・2キロ◇出場15校◇晴れ、気温6・0度、湿度42%(午前7時半、大手町)

 順大が、史上2校目の駅伝3冠を達成した。8秒差の2位で復路をスタートした順大は、ほかを引き離す総合力で11時間14分5秒でゴール。エース高橋謙 介主将(22=4年)が9区で駒大にトップを奪われたが、最終10区の宮崎展仁(21=4年)が再逆転、2年ぶり10回目の優勝を果たした。出雲、全日本、箱 根を制したのは、1990年(平成2年)度の大東大以来。日本学生対校選手権(インカレ)を含めた「4冠」は、史上初となった。

 だれもが目と耳を疑った。順大の高橋が、顔をゆがめながら後退していく。復路のエース区間、9区。駒大の高橋正について行けない。「こんなの初めてで す。見えないプレッシャーが心の中にあったのかもしれない」。チームメートも動揺した。リードを保てずに接戦を演出してしまった8区榊枝は「半泣きでした」。 大黒柱の信じられない姿を、大手町への車中のラジオで聞いた。しかし、アンカー宮崎だけは闘志を燃やしていた。

 高橋で勝負を決める必勝パターンは崩れたが「絶対にやってやろうと思った」(宮崎)。タスキを受けた時点で、駒大とは17秒差。勢いよく追いかけた。4キ ロ地点で追いつき、6キロすぎに引き離した。地力が違った。自分のペースを維持するだけ。自然に相手の足音が遠のいた。あっけなく決着した。エースが負 けても、チームは負けない。順大の底力を見せつけた。

 「ノーブ! ノーブ!」。大手町では、ゴールを待つチームメートがアンカーの愛称を叫び続けていた。宮崎がゴールした瞬間、真っ先に高橋が胸に飛び込ん だ。直後に出雲、全日本では封印していた胴上げが始まった。宮崎に続き高橋がビルの谷間で4回、宙に舞う。今季一番の功労者はだれなのかを、部員ら は知っていた。

 2日間で区間賞は野口だけ。逆転した復路には、1人もいない。それでも勝った。仲村明コーチは「小さく負けて、ポイント区間でしっかり稼ぐ。区間ごとに、 適材適所を大切にしています」と説明する。体つき、性格、走力、走法、チーム事情など、すべてを分析した上で、それぞれの区間に配置される。

 補欠を含む14人の1万メートル平均タイムは、駒大より42秒も劣る。それでも負けないのは、2年前のVメンバー6人の経験と、さい配の妙。往路偏重にな らずに組めるオーダーは強い。6区で区間新をマークした宮井は、山下りのために1年を過ごした。3年連続で最終区の宮崎は「経験が生きた」と振り返っ た。

 今季はインカレも含めて4冠に輝いた。「箱根だけ目指すなら、こんなに楽なことはない」と話していた沢木啓祐監督は、その価値にこだわった。「4つのタイ トルは何としても成し遂げたかった。大学の監督としては夢だった」。昨年11月中旬以降、岩水は吐き気を訴え、宮崎、高橋、野口が原因不明の下痢に襲わ れた。故障者も出た。タイトルへの執着で、何とか間に合わせた。総合優勝10回中、逆転で勝ち取った箱根は、これで5回目。アンカー勝負でひっくり返した レースは、15年ぶり。「復路の順大」「逆転の順大」。新世紀を迎えても、伝統のタスキはしっかり受け継がれた。【佐々木一郎】



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