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カジノ法案で動き出した国内カジノ市場
[2014年6月24日11時16分]
国内外のカジノ業界関係者が注目した2014年通常国会が22日、閉会した。関係者が期待を寄せた、カジノを含む複合型リゾート施設(IR)整備推進法案の成立はならかった。それでも18日に衆院内閣委員会で審議入りし、今秋から始まる臨時国会で継続審議。年内の法案成立にのぞみをつないだ形だ。
IR推進法案の動きとともに、国内でもカジノ関連事業、特にカジノマシンについての動きが活発化した。セガサミーグループが昨年6月に創設した「セガサミークリエイション」は、今年5月にマカオで行われた見本市Global Gaming Expo Asia(G2EA)2014で大規模に初出展した。また海外で2社のマシンメーカーを持つコナミも、法案成立後に日本におけるカジノ施設への投資を目的とした100%出資子会社「コナミゲーミングジャパン株式会社」を設立すると発表した。
その中で、現在のアジアカジノ市場において、5割以上のシェアを持つのはアリストクラートグループ。国内ではパチスロ機メーカーの1社として数えられている。未来の国内カジノマシン市場について、アリストクラートテクノロジーズ・菅沼正典社長に話を聞いた。
-IR推進法案は秋以降に持ち越されたが
菅沼 本社のCEOは「日本のカジノ解禁に向けて、しっかり対応していこう」という話をしています。なので我々としては、できる限り早く日本(のカジノ)が開いてくれれば、ビジネスも早く軌道に乗ると思っています。6月に成立すればいいなとは思っていましたが、それが多少を遅れたとしても、日本のカジノが非常に魅力的な市場であるという風に多方面から見られていますので、(将来)確実にカジノができるであろうと思っています。
-海外事業者の反応は
菅沼 だいぶしびれを切らしている感はありますね。時期がずれることでのトーンダウンは怖い。いつまでたっても開かないとなると、どこか別の国や地域に、先を越されることもある。それでも日本には地の利はある。中国からもお客さんは呼びやすいですし、アジアのハブにはなりやすいところでしょう。
-カジノマシンメーカーの今後の動きは
菅沼 日本にカジノが開くとして、マシンメーカーの出番は一番最後になります。カジノが開き、どういう企業がオペレーション(運営)するかが決まり、その企業がどういうマシンを入れるかという順。実際に我々のところまで話が来るまでには、時間がかかります。
-では運営者へのアプローチはまだ先か
菅沼 マカオやラスベガスでカジノを持つ大手が、日本に進出してくる。それを考えると、現状のアジアの図式が、そのまま日本で再現されるとも考えられます。アリストクラートはオーストラリアに本社があり、特にアジアでは強くてシェアは50~50%。日本にカジノが出来る時には、シェアも50%は欲しい。
-競争のポイントは
菅沼 まず重要な点は規則です。今後は、技術的な規則(テクニカルスタンダード)をどういうものにするかが話し合われていきます。今世界にある、各国の規則が、日本でも採用されてくると思う。そういう意味でアリストクラートは60年の歴史があるので、ちょっとしたアドバンテージがあるのでは。ゲームの内容については一日の長があると思う。
-日本版カジノ特有のポイントはあるのか
菅沼 日本人のプレーヤーはパチンコ・パチスロにしてもゲーム性や、ちょっとしたスキル(の介入)、あるいはゲームそのものも勉強するようなタイプ。他の国とは少し違う、ゲーム性を求めるプレーヤーだと思います。そういう方のために、どういったマシンを提供していくのかというのが、ひとつのキーになっていくと思う。
-日本独自のマシンが求められるのか
菅沼 個人的には日本人が作るゲーム機は一番おもしろいと思っている。プレーヤーの気持ちをうまくとらえた作りというか。射幸性について、非常にうまくデザインができると思う。なので、日本のカジノができたら、我が社も日本で開発していきたいと思います。これまで培ったものに、(日本の)我々がそのエッセンスというか味を加えることによって、より日本に合ったゲーミングマシンを作ることができるのではと思います。