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麻雀界にもAIの波 「爆打」開発者に聞く

[2016年4月28日10時14分]

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麻雀AI「爆打」の開発者である水上さん

麻雀AI「爆打」の開発者である水上さん

 将棋、囲碁界を席巻しているAI(人工知能)の波が、麻雀界にも押し寄せている。国内最大級のオンライン麻雀である天鳳(てんほう)で活躍中の麻雀AI「爆打(ばくうち)」が、昨年末に350万超のIDがある中、上位0.0007%に入る「七段R2000」を達成した。そこで今回、開発者である東大大学院生、水上直紀さんに話を聞いた。囲碁界では、すでにAIのアルファ碁(AlphaGo)が世界トップクラスの棋士に勝利。果たして麻雀AIは人間を超えて最強になる日がやってくるのか。

 麻雀AIは、大学の授業の一環から誕生した。

 水上さん プログラミングの授業があったので、シャンテン数を数えるものを作ってみたいのがきっかけです。

 そこから進化を重ね、今では人間と遜色ないどころか、トッププレーヤーの仲間入りを果たした。

 水上さん 自分も天鳳で七段になるまでやりました。でも、今は爆打とやっても勝てないでしょうね(苦笑)。

 開発者よりも強くなる。これが今のAIの注目ポイント、機械学習のなせる業だ。

 水上さん 上がったないしリーチを打ったプレーヤーの棋譜を記憶して、そこから学習するとなんとなく上がりに向かうプレーヤーが出来上がります。どういう項目に着目したらいいかは教えていますが、その値自体がどうなっているか自分は分からない。逆に項目を入れたからといって必ずしも強くなるとも限らないんです。

 指示された項目を基に、AIが自ら膨大なデータから最適な結論を模索する。コンピューターならではの速度で“猛勉強”を繰り返すのだ。

 水上さん 検証は大きく2つです。1つは自己対戦。前のバージョンと今のバージョンを戦わせます。半荘1回3分ぐらい。研究室のサーバーを借りれば、一気にプログラムを200ぐらい走らせられるので、1日で半荘5万回ぐらいできます。これで平均順位が0.01も上がれば有意です。でも、前のバージョンに勝っても、さらに1つ前のバージョンに負けることもあるので、もう1つの検証として平均的に人間と対戦することが必要です。

 将棋、囲碁と違い、牌の山や相手の手牌が見えないのが麻雀。これをAIに予測させるのも、開発者としての醍醐味(だいごみ)だ。

 水上さん 相手の手牌を予測するのが、一番自分の中ではおもしろいんです。相手の牌14枚をきっちり当てるんじゃなくて、相手がテンパイしているかどうか、相手が張っているとしたら待ち牌は何か、待ち牌切った時に何点振り込むことになるのか。これを牌譜から学習させてあげて、相手の手牌をなんとなく作ってあげるんです。多人数ゲームっていうのも個人的には楽しいんです。将棋や囲碁は、相手は必ず自分に一番不利な手を指してくるという当たり前の前提があるんですが、麻雀の場合は分からないので。

 つい最近した大きな指示は「リーチをしなくてもよい」。これまでは、テンパイしたらリーチだったが、リーチをしない選択肢を入れたところ、飛躍的に実力が向上した。

 水上さん これが天鳳で七段になった原動力ですね。リーチの選択は大事だなと思ってはいましたが、まさかここまでとは。プロに着眼点などをアドバイスいただけたら、もっと強くなれるかもしれません。

 目指す理想は「AIが人間に麻雀を教えること」だという。

 水上さん バックギャモンでは、既にコンピューターの方が強いのが大前提で、世界チャンピオンもコンピューターに今の手が良かったか悪かったかを教えてもらっています。将棋、囲碁もいずれそうなると思うし、麻雀もそれを目指したいです。爆打については、天鳳位(天鳳の最上位)に2年後ぐらいになれたらいいなと思っています。

 AIが人間を超え、さらには人間に教える。そんな時代が既に来ているし、今後も増えていく。「この前負けた○○さんに勝ちたいから、AIで特訓しよう」。数年後には、そんな光景が当たり前になっているかもしれない。

 ◆水上直紀(みずかみ・なおき)1989年(平元)5月21日、石川県生まれ。麻雀は中学時代に友達に誘われて始める。金沢高、金沢大を経て、現在は東大大学院工学系研究科電気系工学専攻融合情報学コースに在籍。趣味はゲーム、ギター。173センチ、60キロ。血液型AB。

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