メジャーリーグのプレーオフでは、熱気のある戦いが続いています。その一方で、公式戦が終了してしまったチームでは、来季以降の再建へ向けた新たな戦いが始まっています。そんな動きを、現役の選手は、どんな気持ちで見守っているのでしょうか。

 イチローが所属するマーリンズでは、今季途中の5月、GMから監督に「配置換え」されたジェニングズ氏が、来季はベンチで指揮を執ることはせず、再び、本来のGM職に戻ることが決まりました。つまり、現時点で監督職は「空席」というわけです。岩隈が所属するマリナーズにしても、マクレンドン監督の辞任を正式に発表。前エンゼルスGMで、新任のデュポトGMは「彼の功績は大きい」としながらも、「よく話し合った結果、彼とは野球哲学が近くはない」と、明確に「決別」を宣言し、新監督を探す考えを明かしました。

 過去数年、メジャーでは、GM職のさらに「上級」を意味する社長、編成本部長などの肩書を持つエグゼクティブが急増し、GM職の権限が、あやふやになり始めています。裏を返せば、それほどGM職の責任が多様化している証拠で、トレード補強、データ分析、予算面だけでなく、アマのドラフトなど、あまりにも細分化されているため、フロント改革が最優先されている傾向があります。

 その一方で、ユニホーム組を束ねる現場トップの人選が重要課題であることは、変わりません。春季キャンプでの練習メニュー、試合での戦術、戦略など、監督の意向が如実に反映する現状は、おそらく今も昔も大きく変わっていないはずです。

 ちなみに、マーリンズは約20人の監督候補をリストアップし、それぞれと面接した上で、来季の監督を決定することを明かしています。ただ、「フロント主導」か「現場主導」かの空気の違いについては、選手は敏感なものです。そんな感覚は、日米の野球界にかかわらず、一般の会社も似通ったものなのでしょうか。イチローならずとも、選手にすれば「上司」は選べません。

 いわゆる自らの「上司」となるGMや監督が代わった際に、自分はどうすべきなのか。

 たとえ目先の成績が低下しても、周囲の批判、批評に惑わされることなく、イチローはやるべきことを変えようとはしないでしょう。揺らぐことのないイチローの姿勢は、しがないサラリーマンにとっても、大いに参考になるような気がします。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)