【ナショナルハーバー(米メリーランド州)6日(日本時間7日)=四竈衛】レッドソックスからFA(フリーエージェント)となっている上原浩治投手(41)のレ軍退団が確実となった。2日目を迎えたウインターミーティングの会場で、レ軍がブルワーズとのトレードで救援右腕ソーンバーグを獲得したことを発表。その席上で、デーブ・ドンブロウスキー編成本部長は救援陣の補強をひとまず凍結し、上原とは再契約しない考えを明かした。

 その一方で、上原の代理人を務めるマーク・ピーパー氏は、レ軍との交渉終結について「それはOK」としたうえで、これまでの経過を「少なくとも6球団と交渉している。市場は瞬時に動くもので、興味の段階から(具体的な)オファーの段階に来ている」と説明した。

 現時点で球団名は明かされていないが、MLB公式ホームページは、イチローの在籍するマーリンズが上原に興味を示していると伝えた。また、今季108年ぶりに世界一となったカブスも、上原を補強ポイントの上位にリストアップ。さらにはホワイトソックス、フィリーズなども接触している模様だ。

 もっとも、今オフの救援投手市場では、現時点でチャプマン、ジャンセンの大物クローザーの動向が未定。両クローザーの移籍先次第で、上原との交渉も最終段階に移行するものとみられている。「かなり近づいている。今後24~48時間の状況を見て、どうなるか」とピーパー氏。

 今季終了後、上原は「どこからも(オファーが)なければやめるつもり」と話していたが、通算93セーブを挙げたクローザーとしての評価は、依然としてトップクラス。過去4年間プレーしたボストンには別れを告げるものの、42歳で迎える渡米9年目も、上原がメジャーのマウンドに立つことは間違いなさそうだ。

 ◆今オフのFA投手事情 層が薄い先発投手と比べ救援投手は潤沢。目玉は最速169キロ左腕チャプマン、ともにナ・リーグ2位の47セーブを記録したジャンセンとメランソンの3投手。先発より救援陣の補強を優先する球団も多く、米メディアはチャプマンが総額9200万ドル(約101億円)のオファーを受けたと報道。ヤンキースは、同投手とジャンセンの両方に契約を提示したと球団公式サイトが伝えた。メランソンはすでに5日、中継ぎでは史上最高額となる4年総額6200万ドル(約68億2000万円)でジャイアンツと合意しており、残り2投手の去就が決まれば上原らも決まっていく見通し。上原に興味を示すフィリーズはベテラン右腕ベノアの獲得を正式発表。ダイヤモンドバックスも、14年最多セーブのロドニーと1年275万ドル(約3億300万円)で契約するなど各球団が積極的な動きを見せている。