ヤンキースは22日、楽天から新ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指していた田中将大投手(25)と7年契約を結んだと発表した。AP通信などによると総額1億5500万ドル(約163億円)の大型契約。田中は日本時間23日午前9時ごろに仙台市の楽天球団事務所を訪れ、その後室内練習場で体を動かした。同日午後、楽天Koboスタジアム宮城で記者会見。

 年俸は6年目までが2200万ドル(約23億円)、7年目が2300万ドルで、総額でも単年でも日本選手史上最高となった。これまでの最高はイチロー外野手がマリナーズと結んだ2008年からの5年契約で、契約金を含め総額9千万ドル、年平均1800万ドルだった。契約には田中が希望すれば、4年目終了時にフリーエージェント(FA)となれる条項が含まれる。

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマン・ゼネラルマネジャーは「ヤンキースはチャンピオンにふさわしいチームをフィールドに送り続けようとする。それが伝統」と電話での記者会見で異例の大型契約について話した。

 契約が完了したことで、新ポスティング制度に基づき2千万ドル(約21億円)の譲渡金がヤンキースから楽天に支払われる。ヤンキースには現在イチローと黒田博樹投手が在籍。かつては松井秀喜外野手が活躍した。

 田中はプロ7年目の昨季、24勝0敗1セーブ、防御率1・27で、史上初めて無敗で最多勝を獲得。創設9年目のチームを初のパ・リーグ優勝と日本一に導いた。

 自由に海外の球団に移籍できるFAの資格条件を満たしていないため、球団の同意を得て新ポスティング制度での大リーグ移籍を目指していた。