このオフ巨人から自由契約となった門倉健投手(35)が大リーグ・カブスとマイナー契約で合意し、招待選手として春季キャンプに参加することが19日、分かった。門倉は昨年12月23日にカ軍のトライアウトを受け、首脳陣からも高い評価を受けていた。マイナー契約とはいえ、カ軍は中継ぎに経験のあるベテランを探しており、キャンプの結果次第ではブルペンの一角へ食い込む可能性は十分ある。

 登板機会を求めて巨人を自由契約となった門倉の進路が、ついに決まった。カブスの関係者らがこの日、門倉とマイナー契約で合意し、春季キャンプに招待選手として参加させることを明らかにした。

 門倉は「まだ正式に聞いたわけではないので、何とも言えません」と話すにとどまった。だが12月にカ軍が同投手にトライアウトを実施するために、台湾から環太平洋担当スカウトを日本へ派遣した際にも「名門が興味を示してくれてうれしい」と感激。今後は2年連続ナ・リーグ中地区優勝のカ軍のユニホームに袖を通し、春季キャンプでピネラ監督、ヘンドリーGMにアピールすることになる。

 代理人の中西剛氏はここまで「どの選手でも同じですが、本人にとって一番良い環境でプレーさせられるような契約を目指しています」と、門倉の移籍先を探してきた。カ軍はまさにそのお眼鏡にかなっていると言える。守護神ウッド、08年に72試合に登板した右腕ハウリー投手が退団。投手陣が全体的に若く、中継ぎ唯一といえるベテラン右腕ビスカイーノにしろ、ピンチで安心してマウンドに送れるとは言い難いからだ。

 実際、トライアウトで門倉を見た環太平洋スカウト・コーディネーターのウィルソン氏も「ウチには若くて生きの良い投手はいるが、どんな場面でもストライクを取れる経験豊富なベテランが必要だ。門倉はそれができる」とヘンドリーGMへ報告。それが今回の合意につながった。

 大リーグの春季キャンプでは序盤から打撃投手、オープン戦登板の機会が回ってくる。フリー打撃では福留や、同じマイナー契約の田口らと対戦する可能性もある。どんどんアピールし、開幕メジャーを決めたいところだ。