メッツ五十嵐亮太投手(30=ヤクルト)が10日、渡米延期で出ばなをくじかれた。雪による悪天候で、安全面を考慮した航空会社がニューヨーク便を11日に遅延。朝8時20分、移動の車中で知った五十嵐は、「昨日は子供たちも頑張って夜遅くまで起きていた。『なんで帰ってきたの?』と言われそうで、今晩は付き合ってくれないでしょうね」と苦笑いし、自宅へとんぼ返り。これがドタバタ劇の始まりだった。

 あらためて翌日に出直すはずだったが、航空会社によってはニューヨーク便を通常運行。正午すぎに1度は米系の夜便に変更を発表するも、「運行状況が不確定で、本人の体調面も考慮しました」(マネジメント会社)と午後4時過ぎ、この日の渡米を断念した。

 結局、遅延便は朝9時発に設定され、夜明け前に自宅を出る強行軍。「1日遅れたことでキャンプに影響があるわけじゃない」というが、「家探しも、子供のために学校探しもしっかりやっておきたいので」と現地滞在が1日削られたのは痛い。メ軍ファンは味方にも手厳しいブーイングで有名だが、「『ニューヨークの洗礼』なんて言わないでくださいよ。きょう1日、明日飛んでくれることを祈り続けます」。前日にやっとビザが届いて冷や汗をかいたばかり。米北東部を襲う寒波は再び勢力を増し、現地予報はしばらく雪。五十嵐の渡米は、まだ波乱含みの気配だ。【中島正好】