【デンバー(米コロラド州)9日(日本時間10日)=四竈衛】ロッキーズ菅野智之投手(36)がカブス戦に先発し、6回途中3失点と粘りの投球内容で今季6勝目(4敗)を挙げた。カ軍鈴木誠也外野手(31)との今季初めての侍対決は、2打数無安打で菅野に軍配が上がった。

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あくまでもチーム同士の戦いとはいえ、マウンド上の菅野は「日本で楽しみにしてくれている人たち」の存在を忘れたことはなかった。打席に向かう鈴木にしても、思いは変わらない。今年3月のWBCで共に闘った2人は、互いに目線を合わすことなく、18・44メートルの空間で向き合った。

今季初対決は、2回1死一塁。菅野は同じ球種を続けることなく、4球目のカーブで左飛に仕留めた。「ちょっと危ない球でしたけど、空振りも取れましたし、うまく印象づけながら攻められた気はしてます」。

4回は2球で追い込み、最後は時速150キロの速球で中飛。外角スライダーで空振りを取ったうえでの速球勝負は、ベテラン菅野の投球術の真骨頂だった。

一方の鈴木は、素直な思いを口にした。「日本の時から相性がいいと思ったことは一度もない」。14年の初対戦で安打を放ったものの、20年までは巨人の大エースの前にノーアーチ。広島最終年の21年、14打数7安打5本塁打と攻略したが、「菅野さんがずっとケガしていたから」と、参考にはしていない。

昨季のメジャー初対決では、2打数無安打1四球。「コントロールがいいんで、基本的に常に四隅を狙っている感じ。今日は最終的に甘かったけど、なんせ、今はこっちの状態が良くないんでああいう結果になった」。先輩への敬意を示す一方、自らのふがいなさに悔しさものぞかせた。

目の前の結果は、単なる数字に過ぎない。その一方で、互いに命を削るような舞台で闘う現実を再確認した。なかなか調子が上がらない鈴木は「自分の状態が悪いだけの話」と、足元を見つめた。白星を手にした菅野にしても「楽ではないです。去年の経験を踏まえて、余裕を持って投球できたら」と、危機感を忘れることはない。持ちうる資質を駆使して真剣勝負を挑みつつ、互いに励まし合うような、限られた時空間。侍メジャーの対決では、声なき会話を交わしているような気がしてならない。

ロッキーズ・シェイファー監督(菅野の投球について)「序盤、カウントを悪くすることもあったが、彼は自分のやるべきことをやってくれた。スライダーがすばらしかった。いつものように我々に勝つチャンスを与えてくれた」