【サラソタ(米フロリダ州)3日(日本時間4日)=佐藤直子通信員】大リーグが4日(同5日)、ボストンで行われるレッドソックス-ヤンキースの伝統の一戦で開幕する。前日のこの日、メッツとマイナー契約していた高橋尚成投手(35)が、メジャー昇格を告げられた。昨季終了後に巨人からFA宣言した左腕は、キャンプ招待選手という不安定な立場だったが、オープン戦で好投を続け、夢のマウンドへ上がる権利をつかんだ。

 メジャーリーガー高橋が誕生した。この日のオープン戦最終戦後、ミナヤGM、マニエル監督、ワーセン投手コーチに呼ばれると「君はチームの一員になった」と伝えられた。正式な昇格はメジャー契約に必要な手続きを経た後になるが、高橋は「正直なところ、ホッとした」ととびきりの笑顔を見せた。

 巨人からFA宣言した後の道のりは、順風満帆とはいえなかった。移籍先も決まらないままに渡米。メッツとマイナー契約を交わしたのは、キャンプイン直前だった。新しい刺激を求めて海を渡ったとはいえ、不安は常につきまとっていた。

 言葉を詰まらせながら「ここまでの道のりは決して追い風ではなかった。向かい風の中でしっかり野球ができたのが一番よかった」と話した時、ようやく見えないプレッシャーから解放された。

 とはいえ、シーズン開幕はこれから。まだ挑戦は“第1ラウンド”が終わったばかりだ。「ここからが本当のスタート。(本拠地)シティフィールドに立って、初めて一員と見なされると思う。まだまだ戦いはあるんじゃないかと思います」と、第2ラウンド開始に向けて気を引き締めた。

 試合後は5日(同6日)のマーリンズとの開幕戦に向け、ニューヨークへ旅立った。「今日くらいはニューヨークでゆっくりリラックスしようかなと思います」。つかの間の祝杯に酔いしれた後、再びスイッチを戦闘モードに切り替え、メッツの優勝を目指して戦っていく。