ロッテ西岡剛内野手(26)が、今オフにもポスティングシステム(入札制度)で米大リーグ移籍を目指す意向があることが20日、分かった。かねてメジャー志向を持っており、海外FA権を取得できるのは早くても13年以降。球団は、日本シリーズ終了後にも本人と話し合い、容認するか否か判断する方針だ。

 チームの躍進を支えた主将・西岡がメジャーへの夢を語った。19日にソフトバンクとのCSファイナルステージを終え、リーグ3位から初の日本シリーズ進出を決めた。一夜明けたこの日、福岡空港にスーツにサングラス姿で現れた。ポスティング希望が取りざたされていることもあり、今季は封印していたメジャーへの思いを告白した。

 「その件については、まだ僕はFA権も持ってないし、どこでそういう情報が独り歩きしたのかわからない。シーズンがまだ終わってないので、考える余裕はないです。僕に決める権利はないし、まだ話し合いも何もしていない。今はロッテとして集中して日本一を目指したい」と慎重に言葉を選んだ。しかし「アメリカは野球のできた国だし、野球をしてた誰もがあこがれる場所だと思います」と素直な思いを語った。

 02年のドラフト1位で入団。入寮日には「メジャー?

 やっぱり意識します」と話すなど、プロ入り時から夢は持ち続けていた。06年の第1回WBC代表に選ばれ、打率3割5分5厘と成績を残し、世界一に貢献した。今季はパ・リーグでは94年のイチロー以来となる200安打も達成。さらに猛打賞は27度をマークし、イチローの持つ26度の日本新記録を塗り替えた。全試合フルイニング出場に首位打者、最多安打のタイトルを獲得。得点が重視されるメジャーにとって、両リーグ最多の121得点は好材料だ。

 すでにシーズン中にメジャースカウト陣が西岡の視察を終えている。球団幹部はこの日までに、西岡のメジャー移籍について「容認はしていない。ただ、シーズンが終わって本人が言ってきたら、話し合いの場を設けて、意思は聞きます」と明言は避けたが、話し合いに応じる姿勢をみせた。チームは22日に宮崎へ移動し、フェニックス・リーグに参加する。その後は日本シリーズが控えているため、球団との話し合いは全日程が終了してからとなる見込みだ。