<オープン戦:レッドソックス7-6ツインズ>◇2月28日(日本時間3月1日)◇フロリダ州フォートマイヤーズ

 レッドソックス松坂大輔投手(30)が、オープン戦初登板となったツインズ戦で威力十分の直球を投げ込んだ。先発で2回を投げ、ソロ本塁打を許して1点は失ったが、最速はシーズン初の対外実戦ではメジャー移籍後最速となる95マイル(約153キロ)。ポイントとした直球がさえて「手応えを感じることができました」と珍しく自画自賛した。この2年の不本意な成績を払拭(ふっしょく)するようなスタート。今シーズンの松坂はひと味違う!

 ネット裏に陣取る各球団のスカウト十数人が「ウォォォ~」と、思わずうなり声を上げた。1回2死走者なし。ツ軍の3番クベルの内角を鋭くえぐる初球ストレートが、球速95マイル(約153キロ)を計測した。3年連続20本塁打以上の強打者に思わず腰を引かせた球には、過去2年以上の「速さ」と「力強さ」が共存していた。

 クベルに対してフルカウントから真ん中高めへ投じた速球は、バックスクリーンに当たるソロ本塁打となった。「あれは完全にセンターフライ。風(に運ばれた)です」。真っすぐを狙っていると分かっていて、あえて投げた甘い球だけに気にならない。むしろ、「バットを押し込めている感じがあった。打者も(直球と)分かっていても、差し込まれていたと思います」。勝負の主導権は握っていたことを実感した。

 この日のテーマは、「現時点でストレートがどんな状態にあるかの確認」。球速、球威、制球は、いずれも納得の出来栄えだった。試運転的な意味合いの強いオープン戦初登板でも、球速90マイル(約145キロ)以上を連発。報道陣から球速について質問が飛ぶと、「自分から言おうと思っていたんです。100マイル(約161キロ)ぐらい出ていたんじゃないかって」とジョークを飛ばしながら笑った。「(自分で)速さを感じることは珍しい」と大きくうなずいた。打者8人に対して投げた直球20球のうち、14球がストライク。「自分で言うのもなんですけど、非常によかったと思います」と、思わず自画自賛の言葉も飛び出した。

 もちろん課題も見つかった。今季から投球の組み立てのカギを握るカットボールの改良に着手。これまでのカットボールに比べ、速くて曲がりの大きなバージョンを加え、ある程度自在に操ることが目的だ。この日、いずれも違う握りで投げた3球のカットボールは「いまいち」だったが、それでも焦りはない。「感覚はゲームの中でしか養われないもの。試合の中で投げ続ける必要がある」と、根気強く改良に努めていくつもりだ。

 不本意なシーズンを送った過去2年からの脱却を目指す今季。心の中に決意を秘めた松坂が、開幕に向けて大きく1歩踏み出した。【佐藤直子通信員】