アスレチックスからフリーエージェント(FA)となった松井秀喜外野手(37)の移籍先が混迷の様相を呈してきた。松井への興味が伝えられていたタイガースが24日(日本時間25日)、左の大砲プリンス・フィルダー内野手(27=ブルワーズFA)と9年総額2億1400万ドル(約161億円)の契約で合意。松井獲得からは大きく後退となった。同タイプの打者がまだFA市場に残る中、候補の球団は消えていくばかり。1月が終わりに近づいても、米10年目への展望はなかなか開けてこない。
このオフの大リーグ移籍市場で、最後の大物野手として動向が注目されたフィルダーの移籍先が、昨季のア・リーグ中地区の覇者タイガースに決まった。今月に入って指名打者(DH)のマルティネスが左膝を負傷し、強打の左打者を求めていた。松井もリストアップしていたとされるが、この大型補強の成功で、松井の移籍先としてタ軍は大きく後退することとなった。
その一方でオリオールズは両打ちのウィルソン・ベテミット内野手(30=タイガースFA)と2年契約で合意に達した。打撃を評価するオ軍首脳陣はDHを中心に起用する方針で、松井への興味を伝えられていた球団がまたDHの枠を埋めたことになる。ダルビッシュ、フィルダーら大物が次々に決着し、移籍市場は終盤に差しかかった。だが、松井の移籍先候補は次々に姿を消している。
DH候補がいない古巣ヤンキースの関心も伝えられている。だが、キャッシュマンGMは24日、DH補強について「今、重視していることではない」と消極的な姿勢を示した。今季のDHについて「分からない。まだ開幕まで時間はある」とし、レギュラー陣が交代で務めることもできると説明した。一方で複数の代理人との接触も認めており、枠があるかどうかも分からない場所に「応募」が殺到している状況がうかがえる。移籍先が決まっていない左打者のデーモンやイバネス、右打者のゲレロらライバルも多く、他球団も含めた「いす取りゲーム」は厳しさを増すばかりだ。
自身の今季が見通せない中で、松井は黙々と自主トレーニングに励んでいる。この日も都内でランニング、ノック、トス打撃など約2時間にわたるメニューを精力的にこなした。契約については「何もないですよ」と動きがない状況を説明。今後については「ずっと前から言ってますけど、何もないですよ。待っているだけですから」と「待ちの一手」を強調した。
マイナー契約のオファーが来たケースについては「それはそのときに考えるしかない。現時点では本当にまだ何も考えていないです」と語るにとどめた。現役引退や日本復帰の考えはなく、2月中旬の米キャンプだけを目指して調整を続けている。それだけに「マイナーでも」などと言えば足元を見られてしまう。松井はメジャー10年目のシーズンだけを見据えて、ぎりぎりまで朗報を待っている。



