アスレチックスからFAとなった松井秀喜外野手(37)に古巣からラブコールが届いた。ヤンキースのジョー・ジラルディ監督(47)が3日(日本時間4日)、ニューヨークのタイムズスクエアで行われたイベントに参加し、指名打者(DH)を任せられる左打者を開幕前に補強したい考えを表明。候補として松井ら実績のある3選手について言及した。都内で取材に応じた松井も「特別なチーム」と古巣への愛着を口にした。3年ぶりの復帰が実現するかもしれない。
松井にとって過去のものだったピンストライプが、再び現実になるかもしれない。09年に世界一をともにしたヤ軍ジラルディ監督が「さらに打者を加えるのはとても大切なこと」と左打者の補強を希望し、候補としてデーモン、イバネスに加え松井の名を挙げた。対する松井はこの日「光栄ですよ。やっぱり僕の中では特別なチーム」と歓迎ムード。離れ離れになった松井とヤ軍との距離が、2年の時を経て近づいてきた。
所属先を決められないまま松井は2月を迎えた。大リーグの移籍市場は終盤を迎えつつあり、FA選手も次々に新天地を決めている。そうして市場から選手が消えていっても、ヤ軍のDHはまだ埋まらない。このオフには代理人テレム氏とヤ軍の接触が明らかになり、ここにきて現場の指揮官も声を上げた。松井は「何も聞いてない。もちろんある程度のアップデートはありますけど、具体的な話はまだ何もない」と白紙を強調したが、古巣復帰への機運は徐々に高まっている。
ジラルディ監督は就任2年目の09年、手術明けの松井を全試合DHで起用し、1度も守備に就かせずに頂点まで駆け上がった。時にはベンチに追いやられたが「信念を持って采配をしている印象はありました。いい監督さんでしたよ」と好印象を口にした。松井にとっては今でも栄華をともに味わった恩師。再びDHに限定される可能性もあるが「関係ないと言えば関係ない」と支障はないとした。
ヤ軍は松井移籍後の2年間、DH不在に苦しめられている。その補強について同監督は「その3人か他の誰かは分からない。ただ間違いなく彼らはここでの戦い方を知っている」とベテランに興味津々。「デーモンと松井はチームに長らく貢献し成功を収めてきた。(加われば)どうなるか興味があるね」と復帰組への色気も隠さなかった。
ライバル2人もかなりの実績を誇る。だが高額選手を多く抱えるヤ軍はDHに多くの予算を割けない。昨季年俸約1200万ドル(約9億円)のイバネス、同525万ドル(約3億9400万円)のデーモンに比べ、425万ドル(約3億1900万円)と最も低い松井は魅力的な存在。デーモンは年俸500万ドルを求める強気が報じられるが、松井は「(代理人には)何も言っていない。基本的にはすべて任せています」と条件にこだわらない考えを示している。朗報を待つ松井のもとに、復帰オファーが届いても決して不思議ではない。
◆ヤ軍のDH候補トリオ
いずれも左翼を本職にし、ドラフトは92年、身長188センチと共通点がある。
勝負強さと地元ファンの人気度なら松井。ヤ軍在籍期間はデーモンより長く、MVPに輝いた09年ワールドシリーズの活躍は記憶に新しい。
イバネスは入団したマリナーズで芽が出ず、移籍したロイヤルズで30歳シーズンに初の定位置をつかんだ苦労人。04年からマ軍に復帰し、3年連続で100打点以上を挙げるなど中軸で活躍。フィリーズでも昨季まで地区5連覇に貢献。
デーモンの武器は、現役4位の通算404盗塁をマークする俊足。昨季も19盗塁をマークするなど年齢的な衰えは感じさせない。打撃も堅実で16年連続シーズン130安打以上を続けており、通算2723安打は現役5位。



