<日米親善試合:巨人9-3マリナーズ>◇26日◇東京ドーム

 マリナーズ岩隈久志投手(30)には、ほろ苦い凱旋(がいせん)マウンドだった。打撃不振に苦しんでいた巨人打線に4回まで10安打を浴びて毎回の6失点。日本開催で与えられた先発チャンスを生かせず「恥ずかしい投球をしてしまった。探りながら投げていたら、相手が早打ちで打たれてしまった。次からは結果だけを求めたい」と気丈に話したが、先発ローテ入りはまた遠のいた。

 “開幕中継ぎ”に降格した現状を物語る結果だった。「マリナーズのユニホームで、全力プレーを見せたい」と気持ちは入っていたが、生命線であるキレがない。カウント球は軽々と運ばれ、村田には低めの決め球フォークを痛打された。調子を問われると「問題ないです」と答えたが、本来の出来からは遠い。これで対外試合は16イニングで被安打29。ピンチの連続で首脳陣に安心感を与えられず、22日に5人の先発陣から外されたばかりだった。

 ウェッジ監督はあらためて中継ぎ起用を明言。「フィニッシュで打ち取れなかった。今は彼らしい投球を取り戻している段階」と話した。28、29日の日本開幕シリーズは登板せず、米国に戻って主にロングリリーフから出直しとなる。先発で輝きを放った日本でも、復調のきっかけをつかめなかった。【柴田猛夫】