【ニューヨーク(米ニューヨーク州)1日(日本時間2日)=水次祥子】左肘靱帯(じんたい)を損傷したオリオールズ和田毅投手(31)が、カリフォルニア州ロサンゼルスでの再検査で内側側副靱帯の部分断裂が確認され、主治医から靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を勧められた。メスを入れれば実戦復帰まで最短でも10カ月を要し、マイナーでの調整期間も含めれば来季開幕からのメジャー昇格も絶望的。手術を回避する選択肢もあるが、先発の柱と期待された左腕は公式戦の登板のないまま厳しい岐路に立たされた。

 和田獲得の責任者だったデュケット編成本部長も最悪の診断に苦渋の表情だった。「見ての通り落胆している。今季の彼の働きに期待していたからね」。ロサンゼルス市内に滞在し精密検査を受けている和田が、左肘の靱帯を部分断裂していることが判明し、肘治療の権威、ルイス・ヨーカム医師から手術を勧められたと明かした。

 同医師は07年に和田の左肘から遊離軟骨を除去した際の執刀医。MRI(磁気共鳴画像装置)とCTスキャン(コンピューター断層撮影)の2種類で入念に患部を検査し、「要手術」と判断したという。デュケット編成本部長は「手術を避け、リハビリで治療するという選択肢もまだ残されている」と話したが、昨年6月、靱帯再建術に踏み切ったレッドソックス松坂の執刀医の診断でもあるだけに、最終結論に影響を与えるのは避けられそうにない。

 和田は昨年12月、オ軍と2年815万ドル(約6億5200万円)で契約。デュケット編成本部長は「彼は200イニングを投げることができ、勝ち方も知っている」と、故障なく先発ローテーションを守れると期待していた。だが、キャンプ序盤に左肘の異常を訴えて離脱し、オープン戦は2試合5イニングを投げたのみ。開幕を故障者リストに入ったまま迎え、3Aでの初登板後に再び離脱した。同本部長は入団時の検査では肘に問題はなかったといい、「今回の検査が全く違う状態なので驚いている」と肩を落とした。

 ア・リーグ東地区2位と好調なオ軍は、万全な先発陣を誇るわけではない。ショーウォルター監督は手術回避の望みを捨てていない様子で、「医師の診断を受け、結論を出すことになるだろう」と話した。手術を選択するかは、和田本人が今週中にも決断する見通し。成功率90%以上の靱帯再建術も、移植を伴うため長期間のリハビリが必要で、実績ある投手でもメジャー復帰まで最短1年を要する。手術をしなければ再発の怖さが残る。いずれにしろ、険しい道が待ち受けている。