<3A:ダーラム5-0ポータケット>◇17日(日本時間18日)◇ノースカロライナ州ダーラム
レイズ傘下の3Aダーラムに所属する松井秀喜外野手(37)と、右肘手術からの復帰を目指してレッドソックス傘下3Aポータケットで調整登板を続ける松坂大輔投手(31)の対戦が、マイナーの試合で実現した。3打席の直接対決は一ゴロ、左飛、捕手の打撃妨害。松井は3打数無安打、松坂は6回2/3を7安打5失点(自責4)と物足りなさが残ったが、互いに調整段階。メジャーで再会する思いを強くする、3打席、全8球の対戦だった。
同じ野球選手として、同じ日本人として、互いの思いは通じていた。開幕後、マイナー契約から再スタートを切った松井と、約1年前の右肘手術からの復帰を目指す松坂。ここまでの経緯、環境は違っても、再びメジャーの舞台を目指す共通意識が、これまで試合以外では接点の少なかった2人の間に、自然な親近感を生んだ。
キッカケを作ったのは、年下の松坂だった。試合前の練習中、外野守備に就いていた松井のもとへ真っ先に駆け寄り、約30秒間、互いに笑みを浮かべながら言葉を交わした。
松井
体調の状態を聞いたり、久々に会ってあいさつしたぐらいです。
過去、メジャーの公式戦で、先発当日の試合前に、松坂が対戦相手の打者と談笑することは一切ない。今回は、ともにマイナーでの調整期間でもあり、気負う必要もない。と同時に、互いの今後を思いやる気持ちが、2人の距離を縮めた。
その一方で、3打席の2年ぶりの対決では、互いに特別意識を感じていた。
松坂
前回投げ終わった時、松井さんが(3Aに)合流されるというのを聞いて、対戦を楽しみにしていました。試合になれば、左打者の1人と考えようと思ってましたが、松井さんの時に限っては思ったところに、思ったように(球が)動いてくれました。
いずれも走者を置いた場面で打席に向かい、一ゴロ、左飛、捕手の打撃妨害と無安打だった松井も、微妙な心の動きを振り返った。
松井
打席に入れば、どの投手でも同じ気持ちで入るんですが、意識していない部分で意識していたのかもしれませんね。
人口約23万人の地方都市で3Aの試合のチケットが完売し、多くのマスコミや日本人ファンが詰め掛けるなど、一躍脚光を集めた。だが、松井と松坂にすれば、直接対決に固執していたわけでもなく、目先の結果も求めていない。何よりも必要なのは、内容と確かな手応えといっていい。
チェンジアップの精度が上がり、無四球で7回途中まで投げた一方で、2アーチを浴びた松坂は現状を冷静に振り返った。
松坂
ハッキリ言って今日みたいな投球はおもしろくないです。ただ、あまり高望みせず、ある状態と割り切って投げなきゃいけないのかな、とも思いましたね。
松井にしても、自ら「準備OK」と言えるほど、内容と結果が一致しないもどかしさは消えていない。
松井
内容的には悪くない。状態の感じとしては良くなってきていると思います。
18日(同19日)から左翼守備にも入る松井は、順調なら25日(同26日)からのレッドソックス戦でメジャーに合流する可能性も十分。一方の松坂は、22日(同23日)のノーフォーク戦の内容次第で、復帰かマイナー登板延長が決まる。いずれもメジャー復帰は秒読み段階。互いにエールを送り合うようなヤボなことはしない。だが、ア・リーグ東地区のライバル球団の主力として、2人がメジャーで再会する時もそう遠くはない。【四竃衛、水次祥子】



