ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦が18日(日本時間19日)行われ、カージナルスがドジャースに9-0と大勝し、4勝2敗で2年ぶり19度目のリーグ優勝を果たした。MVPにはシリーズ2勝、防御率ゼロと好投したワカが輝いた。また今日19日(同20日)のタイガースとのア・リーグ同シリーズ第6戦を控え、王手をかけているレッドソックス上原浩治(38)、田沢純一(27)の両投手は本拠地で調整を行った。

 大一番の試合時間が、直前まで決まらない?

 3勝2敗と王手をかけたレッドソックスが18日、午後4時(米東部時間)からボストンで全体練習を行った。ところが、その時点で翌19日(同20日)の第6戦の試合開始は未定。同日午後8時37分から行われたナ決定戦の結果次第で試合開始時間が変わるため、選手たちは異例ともいえる不規則な日程の中で体調管理を強いられることになった。

 というのも、メジャーのプレーオフがテレビ局の中継時間によって左右されるためで、事前に2通りのパターンが組まれていた。<1>ドジャースが勝ち、第7戦まで持ち込まれれば、19日のア決定戦は午後4時37分開始。<2>カージナルスが勝ち、第6戦で終われば、ゴールデンタイムの午後8時7分開始。

 多大な放送権料が絡む米スポーツ界では日常茶飯事のこととはいえ、両軍選手は、ナ決定戦の結果を見届けない限り、うかうかとベッドにも向かえない。しかも、レ軍の場合、第5戦のナイター後、18日未明にデトロイトを出発し、ボストンに到着したのは早朝5時過ぎ。満足な睡眠時間もないまま、午後から練習を行った。

 マイナー時代を含め、過酷移動に慣れた田沢でも「こういうのは初めて。しっかり準備しないと。みんな同じ条件なのでそこは乗り越えていかないといけません」と戸惑いは隠せなかった。

 結果的に、カ軍が勝ち、ア決定戦が午後8時7分開始に決定したのは、前夜の午後11時半過ぎ。相手を倒す以前に、過酷な変則日程を克服しない限り、世界一の座は見えてこない。(ボストン=四竃衛)