大リーグ機構(MLB)が新ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す楽天田中将大投手(25)に関連し、楽天に日米間選手契約に関する協定の順守を求める文書を送ったことが30日、分かった。関係者によると、楽天が田中から「できる限りの協力や寄付をしたい」との申し出があったと発表したことについて、MLBは協定の規定に抵触する可能性があると指摘している。

 協定では新ポスティング制度に設けた上限2000万ドル(約21億円)の譲渡金以外の金銭や有価物が日本の球団に提供されることを禁じている。MLBは田中が移籍先から受け取る金額の一部が寄付に回ることで新制度が有名無実化することに神経をとがらせており、くぎを刺した格好だ。

 文書は日本野球機構を通じて楽天にメールで送付され、英文での早急な返答を求めている。ドジャースの地元紙ロサンゼルス・タイムズ電子版は29日(日本時間30日)、MLB広報担当者のパット・コートニー氏が文書で「楽天に、エースと別の取引をしない保証を示すよう依頼した」と伝えた。楽天の対応次第では制度を存続できない事態になる可能性もあるが、球団は「内容は確認中ですが、ルールに反するつもりはない」との見解を示した。