現地15日、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは任期が切れる29年1月で退任すると発表した。

マンフレッド氏は1987年から最初は外部弁護士として、次に労働問題の首席交渉官としてMLBで働き、2015年にバド・セリグ氏の後任としてコミッショナーに就任した。その後5年の任期を2期与えられ、昨年7月に3期目に入ることがオーナーたちの満場一致で決まっていた。

これまでの9年間は波乱に富んだものだった。昨年、ピッチクロックを導入すると入場者数が10%増加している。また2022年にはプレーオフを12チーム制に拡大した。それだけではない。2021~22年には99日間のロックアウト突入を経験。22年にマイナーリーグの歴史的な見直しを行った他、17年から行われたアストロズの不正行為スキャンダルも監督しなければならなかった。

コミッショナーの任期はまだ59カ月残っており、さらに波乱に富んだ展開になりそうな課題がいくつも残っている。

まずアスレチックスとレイズの新スタジアム問題だ。両チームとも進展を見せつつあるものの、どちらも依然として不透明な部分が多い。

リーグの32チームへの拡大もある。拡大に関してはアスレチックスとレイズの問題を優先させるため、先送りされてきた事情がある。15日の会見でコミッショナーは退任までに拡大するためのプロセスを「整備したい」と語ったが先は見通せない。

差し迫った問題としては地域スポーツテレビ局をまとめていたダイヤモンド・スポーツ・グループの破産による放映権問題への対応がある。パドレス、ダイヤモンドバックス、ロッキーズの地元試合中継を維持するため、同グループ再編にあたり、短期契約を結んだが、ケーブルテレビ全体が低迷するなか、どう維持していくかは大きな課題だ。

全米放映権についても現在フォックス、ESPN、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーと結んでいる現在の契約の放映権料は年約17億6000万ドルに達しているが、すべて2028年に期限切れとなる。動画ストリーミングが台頭する中で新しい契約を結ぶための交渉は難しい舵取りを迫られるだろう。

ロックアウトの末に結ばれた労使協定も2026年シーズン後に満了となる。年俸総額の上限を定めるサラリーキャップ問題などが再び持ち上がってきそうだ。

そして何よりマンフレッド氏の後任を決めるプロセスがどう進められるのかも大きな課題なのだ。その一方で、自らの退任についてマンフレッド氏は「人生でこんなに楽しいことは一度しかない」とも語っている。