思わず首をひねった。巨人菅野智之投手(25)が、ヤクルトとのオープン戦に先発。初回に3連打で先制を許せば、3回にはミレッジに真ん中に入った直球を左翼2階席まで持っていかれた。3回で6安打3失点で降板。「結果ももちろん求めてやった。思い描いた、今日やろうとしていることができなかった」と険しい表情だった。

 制球、勢いともに本来の菅野ではなかった。球が打者の腰より高めに浮き、コースも捕手のミットと逆に行く場面もあった。調整段階とはいえ、2年連続となる開幕投手の最有力と期待されているだけに納得はできない。原監督は「スピード、コントロール、キレ、すべて上がってきていませんね。本人がどう受け止めているかでしょう」と言えば、斎藤投手コーチも「去年の(痛めた)肘の影響もあるのか、メカニック的なのか。(次回登板の)予定は立てているけど、どうかな。このまま定期的に投げた方がいいのか、1回飛ばした方がいいのか。明日、本人、監督も含めて話をしたい」と語った。

 27日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)まで、残り1カ月。菅野は「こういう内容じゃ誰も納得できないし、自分もしていない。相手打者とまだ勝負ができていない。自分自身に問題があるのかな」と原因を探った。そのうえで、「難しくは考えていません。1つ、きっかけをつかむことが、何よりの近道になる」と冷静に修正を施していく考えを示した。この日の苦い経験も、菅野なら糧にできるはずだ。【浜本卓也】