ニュー・ライアンが2年連続開幕投手を務める! ヤクルト小川泰弘投手(24)が、初実戦となる巨人とのオープン戦に先発し2回を無失点に抑え、試合中には真中監督から開幕投手の指名も受けた。4安打を許し2回ともピンチを背負ったが、2度ともシュートで切り抜けた。しかもストレートに近い球速だ。小川といえばカットのイメージが強いが、逆に曲がる球が今季の新たな武器となる。

 3回、小川がアイシングをしているときだった。真中監督から「開幕はお前に頼んだぞ」と声をかけられた。にこやかに「わかりました」と即答した。「光栄な役割です。責任のあるポジション。しっかりやらないといけない」とあらためて気持ちを引き締めた。

 方向性は、はっきりした。1回1死一、二塁から大田を144キロのシュートで遊ゴロ併殺に抑えた。2回は2死一、二塁から元女房役の相川を139キロのシュートで見逃し三振に打ち取った。この日のMAXが146キロだから直球に近い球速だ。これをキャンプから意識して練習してきた。「ストレートに近いほど打者はイヤだと思うんです」。これまでのイメージではカットが多かった。逆に、鋭く切れ込む球が増えれば打者は戸惑う。今年の新機軸だ。

 相手の先発に対しても意識はあった。真中監督が「セ・リーグで一番いい投手」と高く評価する菅野だ。一昨年は新人王を争った。お互い開幕投手となれば、直接対決も増える。「ひとつ上だけど同世代。争って成長していきたいし、直接対決したらしっかり勝ちたい」と言う。

 昨年は4月に右手のひらの骨折という大きなアクシデントに見舞われた。それでも9勝を挙げた。逆境にも強く真中監督の期待は大きい。「あまり早く決めても何があるか分からなかったからね。今日しっかり投げることができれば小川に決めていた」と信頼感は抜群だ。2年連続最下位からの脱出ではなく、優勝を目指す柱がニュー・ライアンだ。【矢後洋一】