頼むぞ福ちゃん! 9年目で打撃絶好調の中日福田永将内野手(26)が今日30日巨人戦(ナゴヤドーム)に先発出場することが有力になった。一塁レギュラーの森野将彦内野手(36)が右手親指の末節骨骨折と診断され、出場選手登録を抹消。代役としてチーム屈指の長距離砲に白羽の矢が立った。35年ぶり開幕3連敗の悔しさを本拠地開幕戦で晴らす。

 26歳のスラッガーに思わぬ形でスタメン機会が巡ってきた。開幕からわずか3試合で一塁レギュラーがグラウンドを去る。まさかの緊急事態にも、谷繁兼任監督は極めて冷静だ。リスク軽減のための方策を開幕前から考えてきた。

 谷繁兼任監督 その時の相手投手によっていろんな組み方があると思う。福田や周平にしても、しっかりと準備している。

 構想では一、三塁2つのポジションをルナ、福田、高橋周の3人でカバーする。今日31日は左腕杉内が相手。本拠地開幕戦のスタートは「一塁福田」で臨む可能性が高い。

 確かに9年目福田の打撃は際立っている。オープン戦では4本塁打、両リーグトップの13打点をマークした。29日阪神戦でも代打で1号3ランを放っている。だが、一塁限定の守備力がネックになり「右の代打」から脱しきれなかった。前日29日には谷繁兼任監督から外野守備も練習するように指示を受けたばかり。そんな時に「森野骨折」が起こった。

 ナゴヤドームでのフリー打撃でも逆方向に、バックスクリーンにと柵越えを連発した。G倒弾を予感させる、ワクワクする打球が誰もいない客席に突き刺さった。先発出場すれば、打席は1打席から4打席に増える。本塁打量産の期待もかかる。だが、福田のスタンスは変わらない。

 福田 周りのことは関係ない。いつも代打とは思って練習してません。スタメンだと思って練習している。やることは一緒です。

 開幕阪神戦から35年ぶりの3連敗を喫し、主力の故障とまさに泣きっ面に蜂。そんなチームの窮地も、目をぎらつかせる若手には絶好のチャンス。本拠地オープニングゲームで滞空時間の長い福田らしい1発が飛び出るか。重苦しい流れを変えてくれ、福ちゃん!【桝井聡】