阪神の開幕投手ランディ・メッセンジャー(33)が最悪なら2軍降格の危機にひんした。中日戦で今季最短の4回KO。谷繁兼任監督に3ランを浴びるなど9安打6失点の惨状で、首脳陣は今日5日、本人と緊急面談し調整法や登板順を再考する構えだ。前日の17安打10失点に続き、16安打9失点の大敗で3連敗。誰か止めてくれ!

 まるで別人だった。これが本当に、昨季、最多勝&最多奪三振の2冠右腕なのか…。メッセンジャーの状態がいまだに上向かない。3点ビハインドの4回1死二、三塁。44歳の谷繁兼任監督との勝負だ。フルカウントからの7球目は真ん中へのカーブ。フルスイングされ、左翼に3ランを浴びてしまった。顔を紅潮させて「6点を取られた。それに尽きる」とうなだれた。

 自慢の直球に球威が失われている。しかも高めに浮く。これが今季、メッセンジャーにみられる悪い傾向だ。昨季、13打数2安打と圧倒した相手に被弾。真っすぐが走らないから変化球も生きない。打者に的を絞られ、痛打を浴びる。前回登板の4月28日ヤクルト戦は久々に序盤から直球で押す昨季のスタイルを貫き、2勝目をマーク。真価が問われたこの日、再び醜態をさらした。今季最短の4回6失点で降板。防御率5・65はリーグ最下位だ。

 異常事態に首脳陣も対処する。今日5日、悩める助っ人と緊急面談することになった。中西投手コーチは「俺の意見としては間隔を開けるのがいい。山口コーチの意見もある。それを含めて本人と話をする。そのなかで最善策を決めないといけない。ファームはありえない」と話す。投球時、一塁側に体が流れるため、全力でリリースできていないという。中5日で10日広島戦に先発するもくろみも流動的になった。まずは、1軍でのミニキャンプなど対策を検討していく。

 メッセンジャーは中4日など間隔を詰めた登板を望むタイプだが、そうは言っていられない。不振が続けば、ローテーション剥奪はおろか、2軍降格も現実的になってくる。和田監督も「状態が悪くてメンタルもあるだろう。(2軍降格の可能性に)そういう投手じゃない。開幕を張った投手だし、何とか、しっかりローテで回ってほしいけど…」と歯切れが悪い。開幕投手を襲う想定外の不調はチームに暗い影を落とす。

 中継ぎ陣も打ち込まれ、試合は締まらない。前日3日巨人戦から合計33安打19失点…。この2日間で打たれまくって大敗した。貧打、そして投壊…。誰もが胸躍るゴールデンウイークのはずなのに、和田阪神は5月も踏ん張りどころを迎えている。【酒井俊作】