阪神ドラフト1位の横山雄哉投手(21)が21日巨人戦(甲子園)で1軍デビューすることが16日、分かった。前日15日のウエスタン・リーグ広島戦に先発し、5回4安打1失点。安定感を買われ、本拠地での「伝統の一戦」で先発デビューする。15日に初先発初勝利を挙げたマリオ・サンティアゴ(30)は22日DeNA戦(横浜)で「もう一丁」先発。セ・パ交流戦を前にフレッシュ・ローテで上位陣にぶつかる。

 選ばれたのは横山だった。岩貞か、横山か。1軍先発をかけたガチンコバトル。前日15日ウエスタン・リーグ広島戦での投げ合いは互角のまま終わっていた。先発横山の5回4安打1失点に対し、2番手岩貞は4回無安打無失点。数字だけを見れば岩貞に分がある中、首脳陣は継続して安定している横山の可能性に懸けた。プロ初先発が聖地での伝統の一戦、巨人戦。ドラ1位左腕に申し分のない大舞台が用意された。

 1月上旬に左胸鎖関節の炎症が判明し、2軍キャンプスタート。4月下旬に1度は1軍昇格を検討されたが、直前の2軍戦炎上でプランが流れていた。それでも「準備だけはしっかりしておきたい」と結果を積み重ね、ウエスタン・リーグ8戦で2勝4敗ながら防御率3・05と試合を作ってきた。最速151キロを誇り即戦力と期待された。2軍戦でも常時140キロ台後半。スライダーのキレ味でも十分にアピールしてきた。球団内ではかねて潜在能力の高さに驚く声が多かった。満を持しての1軍初昇格&先発デビューとなる。

 巨人戦には悔しい思いを抱いている。4月25日の2軍交流戦巨人戦(ジャイアンツ)では3本塁打を浴び3回1/3を7安打9失点(自責点8)。本拠地のマウンドで真っ正面から巨人打線にリベンジする。

 1軍先発陣で開幕からローテを守っているのは能見、岩田、藤浪の3人だけ。大黒柱メッセンジャーは絶不調で2軍調整中だ。4番手以降は「第5の助っ人」サンティアゴ、今日17日中日戦に先発予定の岩崎、中継ぎ調整中の岩本と候補は複数いるものの、流動的な状況。横山が宿命のライバルを相手に快投すれば、一気にローテ定着の可能性も出てくる。