日本ハムが先発ローテーションを再編し、ライバルへ勝負手を打つ。標的は交流戦前の同一リーグとの最終カード、22日からのソフトバンク3連戦(札幌ドーム)。登板間隔を微調整して無傷の6連勝中の大谷翔平投手(20)、5勝の吉川光夫投手(27)と絶対的な信頼を置く2人に、初登板初勝利と勢い十分の有原航平投手(22)を投入することが濃厚になった。現時点でゲーム差なしの首位相手に強力布陣で、セ・リーグ球団との対戦へ弾みをつける。天王山の3連戦へ挑む。

 追走するソフトバンクをにらんだかのようなローテを敷く準備を整えた。18日、前日17日オリックス戦で3勝目を挙げた上沢の出場選手登録を抹消。栗山英樹監督(54)は、今日19日からの楽天戦(コボスタ宮城)に備えて仙台入り。具体策は明かさなかったが、交流戦前の最後の同一リーグとの6連戦の意義を力説した。「ソフトバンクともやるけれど、この(交流戦前の)6試合は大きな意味を持つ。大きな意味を持ちすぎるよね。このチームの本質が問われる」。

 兵を動かす。重要視するソフトバンク3連戦。初戦に中7日で大谷。2戦目に中6日で吉川、3戦目にベールを脱いだばかりのルーキー有原を中8日で配置することが濃厚だ。ハーラー単独トップを走る20歳の大黒柱に、完全復調気配で5勝1敗と安定感抜群のパワー左腕。相手が困惑必至の新顔の剛腕も並べ、一気に上昇カーブを描く戦略とみられる。推進力をつけて交流戦開幕カード、26日からのヤクルト3連戦(神宮)の3戦目の28日に上沢を先発させるプランのよう。大谷-吉川-有原。ジョーカーの3枚を切り、再浮上をもくろむ。【高山通史】