阪神岩田稔投手(31)が持ち味の粘りを発揮できず、5回途中7安打6失点(自責3)で2敗目を喫した。2回に7番阿部の右中間2ランで先制を許すと、3回には痛恨の乱調だ。2死二塁から鳥谷が遊ゴロをファンブル。名手の失策からピンチを広げると四球、押し出し四球、2点二塁打で3失点した。

 「(四球が)めちゃくちゃ悔しいです。なんとかしてやろう、という気持ちが強すぎた。いつも鳥谷さんには守備で助けてもらっているので、なんとか後の打者を抑えたかった。自分の力がなく、悔しいです」

 微妙な制球力を欠き、打者有利のカウントで痛打される場面が目立った。中西投手コーチは「球離れが早かった。その分、ボールが動いていなかったな」と説明。打者の手元で微妙に変化する持ち味が薄れ、自身3連勝中の勢いを強力打線に止められた。

 今季8戦登板のうち、クオリティースタート(6回で自責点3以内)を達成できなかった2戦はともに巨人戦。宿敵相手は2戦2敗で計9回2/3を13失点。早急な対策が必要だ。

 ここ2試合はともにチームの連敗を3で止めていた。この日も3連敗阻止を託されたが、まさかの炎上に反省だけが残った。「悔しいです。次、しっかり投げるしかないです」。自分自身への怒りは、次回のエネルギー源に変えるしかない。【佐井陽介】