オリックスが「花火大会」に敗れた。新人西野に主砲カラバイヨ、中島と原拓の連弾もあり5年ぶりの1試合4本塁打を放ったが、投手陣が大乱調。4被弾で今季3度目の2桁失点を喫した。北九州での初戦の制しながら2カード連続の負け越しで、借金は今季ワーストタイの12まで膨らんでしまった。

 4発打っても勝てなかった。ヤフオクドームに新設のテラス席が演出した大味な試合。森脇浩司監督(54)は当然、打ったことより、打たれたことを嘆いた。

 「道中の余分な点がね…。それなりにすべての得点(失点)に重みがある格好になってしまった」

 東明の2被弾でビハインドが3点に広がった5回。元気なルーキー西野が右越え3号を放った。「真っすぐに合わせて沈む球もうまく打てた」と、ソフトバンク武田のチェンジアップをテラス弾。2死後にはカラバイヨも左翼テラス席に運んで1点差とした。

 ところが直後に2番手海田が柳田に2ランを被弾した。引き寄せた流れを渡すと、7回は高木が松田の2ランなど4失点。8回は中島、原拓に2者連続アーチが出たが、試合の大勢が決したあとだった。

 先発東明は4回4失点。今季8被弾はリーグワーストと「1発病」がつきまとう。「結果だけ。打たれたということ。(被弾は)単純にコントロールミス」と反省しきり。高山投手コーチは「内角を意識させる投球ができていない。今はベースの半分しか使えていない」と配球面を指摘した。

 試合前。森脇監督が自分の言葉にツッコミを入れていた。「今日は一丁いくか! …おおかみ少年みたいやな」。北九州でせっかく8カードぶり初戦を勝ったが、連敗でまた借金が膨らんだ。「こういう悔しさをしまい込むんじゃなくて、吐き出していかないと」。投打がかみ合わない日々が続く。【大池和幸】