交流戦ならではのスペシャルオーダーが虎打線の危機を救った。西岡、新井と三塁手が相次ぎ離脱する緊急事態で、和田豊監督(52)が選択したのは、代打の切り札関本賢太郎内野手(36)の先発起用だった。

 和田監督 関本が頭(スタメン)から出ると代打陣が薄くはなるんだけど、交流戦で、お互い情報がないので、どうしても先に攻めて先手を取りたいというのがあった。

 初回は右方向へ打って、好機を拡大すると、3回には2ストライクと追い込まれた後、粘って四球を選んで満塁とした。いずれも、得点には結びつかなかったが、ボディーブローのように楽天の先発塩見を追いつめた。

 関本 (スタメンで)いけと言われたからいった。ひどく疲れました。先発で? いつも。常に思っています。

 心地よい疲労感に笑みを見せながら、関本は語った。安定した守備力と、粘り強い打撃。相手投手の情報が少ない交流戦では先手を取って、勝つ-。指揮官の戦略と、関本の存在感が交流戦開幕勝利をたぐり寄せた。【鈴木忠平】