病み上がりの快投だ! 阪神呉昇桓投手(32)がサヨナラ勝利を演出した。10回無失点の藤浪からバトンを受け、登場したのは延長11回。「あの場面は絶対に点を取られてはいけない場面だった」と集中力を高めた。体調不良による中5日での登板が懸念されたが、守護神は不安を吹き飛ばした。

 1番松井稼からの上位打線。いきなり147キロの石直球で空振り三振を奪うと、落ち着いた。2番藤田には左前打を浴びたものの、直球を軸にしたスタイルはぶれない。3番桝田、代打牧田をいずれも直球で内野へのライナーに打ち取り無失点。直後のサヨナラ勝ちを「(藤浪)晋太郎に勝利を与えられなかったことが惜しかった」と少し複雑な心境で見つめた。

 23日DeNA戦から2試合、体調不良を訴えブルペン待機を取りやめた。救援陣は普段と違う肩作りが求められ、23日には先発要員の藤浪まで有事に備えてブルペン待機していた。みそぎの登板を終えると「チームに迷惑をかけて申し訳なかった」と謝罪。和田監督は「これで落ち着くと思う。肘、肩ではなく体調の問題だから。もう大丈夫でしょう」と安堵(あんど)した。

 結果的に転がり込んだ今季初勝利。交流戦連勝スタートの喜びに「守護神健在」という今後への安心が加わった。【松本航】