「交流戦に強いロッテ」がよみがえった。「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で、0-2の5回に代打サブロー外野手(39)が1号ソロで反撃の口火。同点の7回は、代打の井口資仁内野手(40)が決勝の2点適時三塁打を放った。福浦和也内野手(39)は通算2000試合出場と、ベテラン勢が光った。4連勝で10勝8敗の4位タイで交流戦を終え、12日ぶりに勝率5割復帰。同時に、パ・リーグの交流戦でのリーグ間対戦成績の勝率が過去最高となることも確定した。

 粋な言葉だった。サブローは「今日は彼でしょう。代わりに打っといたよ」と言って、口元を緩めた。クラブハウスへと歩きながら、視線の先に福浦を捉えた。2000試合出場を果たした盟友への祝福とばかり、反撃の口火を切った。0-2の5回1死。ヤクルト古野のスライダーを見逃さなかった。「別に待っていたわけじゃない」が、左翼席へ一直線。自身16年連続本塁打となる1号ソロを放った。

 1年後輩の祝砲を、福浦は素直に喜んだ。同じく代打で登場。同点の6回1死一、二塁で勝ち越しの好機だったが、中飛に倒れた。節目は飾れなかったが「みんなが勝利をプレゼントしてくれた。サブもホームラン」とうれしそうだった。

 福浦とサブロー。交流戦初年度の05年から2年連続で優勝した「強いロッテ」を知る男たちだ。今年は最後に4連勝したが、サブローは「昔はもっと強かった」。福浦も「でかいね。でも、(パ・リーグの)周りも勝っている」と気を緩めない。互いを支え合ってきた。ともに、02年に当時の高畠導宏打撃コーチに師事。同コーチは04年に60歳で他界したが、生前にそろって見舞った際、サブローはこう言われたという。「困った時は福浦に相談しろ」。以来“遺言”を守っている。

 当初は、今季開幕1軍メンバーに2人の名前はなかった。だが、首脳陣が話し合い、2人の存在がチームの雰囲気を上げる点で一致し、開幕1軍が決まった。この日も代打で送り出した伊東監督は「途中からいった人たちが頑張ってくれた。交流戦最後の試合で、ベテランが重要性をしっかり分かってくれていた」とたたえた。これで、パ・リーグとしても交流戦での過去最高勝率が確定した。19日にレギュラーシーズンが再開する。強いロッテを、パ相手にも見せる。【古川真弥】

 ▼ロッテはサブロー、井口、青松が打点を記録。代打3人が打点付きの安打をマークしたのは、全球団で今季初めてだ。40歳6カ月の井口は三塁打を放ったが、ロッテで40歳を過ぎた選手の三塁打は78年8月24日近鉄戦の野村克也(43歳1カ月)以来37年ぶり。

 ▼通算2000試合出場=福浦(ロッテ) 15日のヤクルト3回戦(神宮)に代打で出場して達成。プロ野球48人目。初出場は97年7月5日のオリックス14回戦(千葉マリン)。

 ▼パ・リーグのロッテが勝利し、交流戦のリーグ間対戦勝敗はパの61勝43敗3分け。リーグ対戦成績の勝率を5割8分7厘とし、1試合残して史上最高勝率が決まった。今日16日に日本ハムが阪神に敗れても、パの勝率は5割8分1厘。過去最高だった10年パの5割7分9厘を超える。リーグ対戦勝利数の差(15日現在で18)は、10年パの22、11年パの21、13年パの20に次いで4番目。