巨人は先発杉内俊哉投手(34)の炎上で大敗し、逆転サヨナラ勝ちした前日の勢いが止まった。立ち上がりの直球が走らず、広島の先頭丸に右前打。2番菊池には初球を左翼席上段まで運ばれ、たった4球で2点を献上した。しり上がりのタイプが逆に尻すぼみの内容で、同点の6回には先頭の梵から5連打され、流れを渡した。7失点に「苦しい投球になってしまいました。その中でも粘らなければいけない。抑えられず申し訳ない」と猛省するしかなかった。

 ゲーム中盤の潮目で屈したのは、杉内だけではなかった。同点の5回1死満塁で阿部。プロ初先発の薮田を崩す舞台は整った。4番は外角高めのボール球に手を出し三邪飛。亀井も倒れ好機を逸した。阿部は「満塁の凡退がすべて」と節目の350号を傍らに置き、こちらも猛省した。

 原監督は「こういう展開になってしまった。1イニングの6点というのは、いろいろな状況が重ならないと難しい」と、フィールディングを含めた杉内の乱調を指摘した。混戦のままシーズンを折り返し、7月に入った。チームも個人も、本当の実力が出る夏。ゲーム全体の流れはもちろん、シーズン全般の流れもつかみたい。【宮下敬至】