「ふじっしー」が歌うなっし~! 中日からドラフト5位指名された東邦・藤嶋健人投手(18)が投手と歌の“二刀流”だ。24日、名古屋市内の同校で指名あいさつを受けた。指名後に出演した数々の地方局の番組で同校校歌や「燃えよドラゴンズ!」を披露。中田スカウト部長からは「歌っちゃうの? それがいいんだよ」とプロでもムードメーカーを勧められた。藤嶋は「野球で勝負したいですけど、1つでも売りにできたら」と前向きだった。

 高校通算49本塁打で打力も高く東邦ではエースで4番の二刀流だったが、プロでは投手として勝負する方向。今度は得意な歌を生かし新たな“二刀流”に挑戦だ。十八番はEXILE(エグザイル)の「運命のヒト」。野球部だけではなく、クラスメートからも「ふじっしー」の愛称で親しまれる盛り上げ役は「元気を出して、チームの先頭に立って引っ張っていける選手になりたい」と力を込めた。

 活躍の暁にはナゴヤドームのお立ち台で1曲披露してくれるかもしれない。藤嶋は「まずはお立ち台に上がれる選手になりたい」と表情を引き締めた。「バンビ2世」として注目された1年生のときは怖いもの知らずだった。しかし、学年が上がるにつれて勝つために変化球を多用。かわす投球になってしまっていたという。「本来は直球で押す投球。もう1度見つめ直したい。真っすぐを磨きたい」。もちろん、本職「投手」のレベルアップを怠らない。【宮崎えり子】

 ◆藤嶋健人(ふじしま・けんと)1998年(平10)5月8日、愛知県豊橋市生まれ。小2から野球を始める。東邦1年夏に主戦格として甲子園出場、初戦の日南学園(宮崎)に勝利。「バンビの再来」と騒がれた。今春センバツは2回戦・明石商(兵庫)戦で敗退。今夏の甲子園は初戦・北陸(石川)戦では本塁打、三塁打、二塁打2本の“サイクル超え”。3回戦・聖光学院(福島)戦で敗退。最速146キロ、高校通算本塁打49本。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。