大リーグと同選手会の新労使協定で適用されることが決まった「25歳ルール」が、日本ハム大谷翔平投手(22)にも適用されることが7日、分かった。ドラフト対象外となる25歳未満の海外選手獲得に対して、各球団の契約総額が1球団年間約500万ドル(約5億5000万円)までと定められているもので、「日米間選手契約に関する協定」が結ばれている日本野球機構(NPB)所属の選手は適用外とみられていた。

 新協定の対象は、これまでキューバの若手選手獲得などを対象にしたものとみられていた。だが、日米関係者の話を総合すると、「プロアマ問わず、海外の全プレーヤーに適用する」ことが明らかになった。

 大谷は、5日に行った日本ハムとの契約更改交渉で、来オフ以降のポスティングシステムによる大リーグ移籍を容認された。花巻東(岩手)時代から公言した夢に前進したが、その矢先に米国では思わぬ事態がわき起こっていた。

 新協定では米国、カナダ、プエルトリコ以外のドラフト対象外となる25歳未満の国際選手の獲得には、1球団あたりの契約総額が年間約500万ドルに定められた。今回の改正で、年齢制限は23歳未満から25歳未満に引き上げられた。当初は日本選手は適用外と解釈されていたが、例外事項には当たらず、来年オフに23歳となる大谷も対象に入った。

 日本球団が設定するポスティングシステムの譲渡金の上限2000万ドル(約22億円)は現状のままで、移籍の際に日本ハムに支払われる金額は変わらない。ただ年俸3000万ドル(約33億円)を超える複数年の大型契約の可能性も伝えられていた大谷が1年目に受け取る金額は、規定内のものになる。金額は契約金と年俸を合わせたものとみられ、7年総額1億5500万ドル(当時約163億円)でヤンキースに移籍した田中のような超大型契約は望めない。

 ただ、新協定で定めているのは入団に際してのもので、2年目以降の契約内容には制限がないとみられる。1年目のシーズン中に2年目以降の大型複数年契約を結ぶなど、現状ではさまざまな“抜け道”はありそうだ。

 いずれにしても、来季年俸2億7000万円の大谷にとっては、移籍によって日本ハム以上の年俸を受け取ることは可能。5日の契約更改後には「自分が行きたいと思った時に、その意思を尊重してもらえる」と感謝するなど、金銭面よりも、大リーグ挑戦の夢を追い掛ける可能性は十分ありそうだ。