阪神が見守る前で、今秋ドラフト候補の大阪ガス・岸田行倫(ゆきのり)捕手(20)が5日、兵庫・西宮市内で始動した。報徳学園(兵庫)でまず正遊撃手になり、2年秋から捕手、最速145キロの抑え投手も務めた三刀流。大阪ガスでは「捕手で力をつけたい」と生きる道を決め、1年目の秋に正捕手をつかんだ。

 盗塁阻止率5割超えの力に加え、高校日本代表で西武高橋光ら、大阪ガスではロッテ2位の酒居知史(24)らの好投を支えた。昨秋日本選手権準々決勝・鷺宮製作所戦で猿渡真之(23)の無安打無得点試合もアシスト。経験は豊富だ。

 練習初日を視察した阪神畑山チーフスカウトは「プロで打てる捕手になれる能力を持った選手だが、今年は酒居君らが抜けた中でどうチームを勝たせていくかに注目したい。うちの地元で成長した選手だけに楽しみ」と明かす。「チームの日本一、そしてプロに挑みたい」という逸材の挑戦が始まった。【堀まどか】