逆方向への長打量産で、史上初の快挙を一気に決める。巨人阿部慎之助内野手(37)が25日、宮崎で2次自主トレを開始。小林との米グアム自主トレから帰国して中4日だが、屋外でのノックに室内での打ち込みと2人でハードに動いた。「まずは宮崎の水に慣れること。寒いから。ゆっくりやっていきますよ」と言いつつ、表情は明るかった。

 01年の1軍デビューから安打を重ね、残り83本で2000安打に到達する。球団の生え抜きでは王、長嶋、川上、柴田に次ぐ大記録は「21世紀デビューのドラフト入団者初の2000安打」にもなる。「え? そうなんですか? そう言われたら、まだまだ僕も若いですね」と目尻を下げた。

 新年の誓いに「斬新」を掲げ、打撃を見つめ直す。今年はポイントを従来より前に置くが、この日の打撃練習では左中間側の防護ネットが何度も揺れた。球をしっかり呼び込んでいた。「逆方向にしっかりした打球が打てれば安打の確率も上がる。それが長打ならなおいいですね。自分が求められているのは長打力。打撃で貢献したい」。柔軟に内外角を打ち分けることが、自身の記録達成とチームの勝利への近道となる。

 練習後、ヨーグルトの「LG21」を手に取った。去年の自主トレ中にピロリ菌が原因の発熱に苦しんだ教訓から腸内環境改善を意識。グアム自主トレから継続して愛飲する“秘密兵器”を宮崎にも持ち込み「キャンプ中も毎日飲みますよ」とグビッと飲み干した。そのかいもあってか調整は順調。「日程は決まっているんだからそこに合わせていく」とチーム初実戦となる来月11日の紅白戦出場に意欲を示す。このまま万全で開幕を迎え「L」(=レフト方向にも)「G」(=ジャイアンツ愛を届け)「21」(=21世紀デビューのドラフト入団者初の2000安打)を決める。【浜本卓也】