ソフトバンク和田が元同僚で同学年の巨人杉内との初対決で6回を1失点9奪三振と快投した。「気持ちが入りました。オープン戦とはいえ、負けたくないというお互いの気持ちもある」。初回、いきなり連続三振を奪うと3回の辻から4連続三振。5回1点を失い、なおも2死一、二塁のピンチでは左の重信の内角を135キロの直球で詰まらせ遊ゴロに打ち取った。この日の最速は139キロ。それでも直球にはキレも威力もあった。ライバルにも健在ぶりを見せた。

 対する杉内も予定の3回を越え、4回もマウンドに。和田は「まだ股関節の手術から復帰の段階。投げている姿を見てうれしかった。交流戦、日本シリーズで投げ合う時は負けないように」と、親友の復活を確信し次の対決を楽しみにした。ダイエー(現ソフトバンク)入団は杉内が1年早く、和田がルーキーイヤーの03年から11年までの9年間、左腕ダブルエースとして常勝軍団を支えてきた。80年度生まれの「松坂世代」も現役は少なくなってきた。和田は「僕らはまだまだ若い人に負けるかと、負けん気だけは持っていかないと」と、まだまだエースの座を渡すつもりはない。

 開幕投手に指名した工藤監督も「いい感じで調整している。制球もよかった。6回で86球は理想」と、何も心配していない。次回24日広島戦で最終調整。和田は「あと1回、本番のつもりでしっかり投げたい」と気を引き締めた。前日15日に「とても楽しみな1日になる」と話していた杉内との対決は、収穫の多い1日となった。【石橋隆雄】