<セCSファーストステージ:阪神1-3巨人>◇第1戦◇16日◇甲子園
2戦連発頼むぞブラゼル様!
阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)が豪快なアーチで超満員の甲子園を沸かした。2回の第1打席、巨人東野の初球スライダーを豪快に右翼スタンドにぶち込んだ。2点差の8回2死満塁のチャンスでは遊飛に倒れたが、逆に2戦目以降の発奮材料になったはず。17日は曜日別で最も多い30打点を稼いだ日曜日。サンデーブラで逆王手や!
その瞬間、甲子園が少しだけ背伸びした。圧倒的なパワー。ブラゼルの完全復活弾に真っ黄色の聖地が驚いた。完ぺきにとらえた打球が青空に吸い込まれる。右翼席中段まで届く先制アーチ。超満員の観客は総立ち状態となり、聖地の背丈が少し伸びた。
日本中の注目を集め、CSファーストステージ初戦がプレーボール。宿敵巨人との死闘。戦いのゴングを高らかに打ち鳴らしたのはブラゼルだった。両チーム無得点の2回1死。東野の初球、内角カットボールに対し、スムーズに体を回転させた。「初球からという気持ちはなかったけど、体が反応するところにボールが入ってきて自然とスイングできた」。推定飛距離130メートルの特大弾。どうしても欲しい先制点をひと振りでもぎ取った。ポストシーズンの虎助っ人では85年バース以来、25年ぶりの1発だった。
人生で最も悩んだ経験は?
今、そんな問いかけにはこう答える。「去年、もう1度日本に行くかどうかを考えた時かな。西武時代のことを思い出すとね。決して良い思い出だけではなかったから」
西武時代の08年、4番として27本塁打を記録しながら打率2割3分4厘と苦しんだ。首脳陣との関係に悩んだ時期もあった。そしてシーズン最終戦、10月4日の楽天戦で頭部死球を受け負傷交代。その後めまいを訴え、来日1年目で出場するはずだったCSを棒に振った。仲間が日本一に喜ぶ陰で、わずか1年での退団。あの悔しさを忘れたことはない。09年、阪神から途中入団のオファーを受けた。人生で最も悩んだ結果、リベンジの思いを胸に、再び海を渡ろうと決意した。ようやくたどり着いた、3年越しのCS出場。待ちに待った舞台に燃えた。
シーズン終盤はボール球に手を出す場面も目立ち、成績も下降したが、調整期間で見事に修正。今季47本塁打、117打点の実力を大舞台でも発揮した。ただ…。2点を追う8回2死満塁で遊飛に倒れ、大事な大事な初戦に負けた。「負けてしまっては何とも言いようがないよ。もう1試合あるし、相手もあと1試合勝たないといけない。今年1年頑張ったから今、試合ができる。グラウンドで全力を尽くすしかない」。真っ赤な顔に悔しさをにじませ、冷静に言葉を続けた。今日こそは、打って勝って笑いたい。
[2010年10月17日11時41分
紙面から]ソーシャルブックマーク



