今季、海外移籍が可能なフリーエージェント(FA)権を取得した日本ハム森本稀哲外野手(29)が11日、FA権行使の手続きを行ったことを明らかにした。今月1日の球団との交渉では、条件提示を受け慰留されていたが「今日、FAの申請をしました。他球団から自分がどう評価されているのか、自分の立場がどれくらいなのかを知りたいです」と、権利行使に踏み切った。

 プロ12年間日本ハム一筋。最近5年で3度のリーグ優勝と、チームには愛着がある。「ファンとチームと一緒に成長してきました。一番引っかかったのはファンの気持ちを裏切るかなということ。人生で一番悩んだ」。決断したのは今週に入ってから。答えを出すのは簡単ではなかったが、熟慮した末の選択だった。

 球団からは宣言残留も認められており、森本も「ファイターズと最初に(交渉を)したい」と、18日の交渉解禁日以降に再度交渉の席につき、残留する可能性は残した。だが一方で、獲得に前向きな横浜など、他球団との交渉もスタートすることになる。「条件がよくてもそこに行くということではないです。自分がどうしたいかというところで決まります。そこでのプレーをイメージできるか、こうしていくというビジョンを描けるかです」。今季リーグ最多犠打(55個)を記録し、ゴールデングラブ賞も3度獲得、人気もある選手だけに、今後の動向が注目される。

 [2010年11月12日10時7分

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